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IBF世界王者・尾川、薬物陽性反応 裁定次第で最悪王座剥奪

[ 2018年1月20日 05:30 ]

尾川堅一
Photo By スポニチ

 ボクシングの帝拳ジムは19日、IBF世界スーパーフェザー級王者・尾川堅一(29=帝拳)が王座を獲得した昨年12月9日の同王座決定戦(米ネバダ州ラスベガス)前のドーピング検査で陽性反応を示したと発表した。試合を管理するネバダ州コミッションから報告を受けたもので、同コミッションは1カ月以内に原因を調査するという。米メディアは禁止薬物の合成テストステロンと報じ、ドーピング違反と認定された場合、IBFは尾川の王座を剥奪する可能性があると伝えた。

 尾川は決定戦でテビン・ファーマー(27=米国)に2―1で判定勝ちし、日本人として36年ぶりに米国で世界王座を獲得。ファーマー側は不満を示して再戦を要求し、IBFに却下されていた。陽性反応が出た検査はWADA(世界反ドーピング機関)によって12月5日に行われ、試合後の検査は陰性だった。

 帝拳ジムの本田明彦会長は都内で取材に応じ、意図的な摂取を否定。原因究明のため尾川が使用していたアトピー性皮膚炎の治療薬や風邪薬など全ての薬を提出したと明かし、「検査時に言葉の問題で皮膚炎の件は伝わっていなかった」と話した。昨年7月に受けたWBCの検査は問題がなく、「良い結果が出ると確信しているが、二度とこのようなことがないよう細心の注意を払いたい」とした。18日まで沖縄で走り込みキャンプを行った尾川は「陽性反応が出た事実は認めなければなりませんが、禁止薬物を意図的に摂取したことは絶対にありません」とコメントした。

 ◆尾川 堅一(おがわ・けんいち)1988年(昭63)2月1日、愛知県豊橋市生まれの29歳。2歳から日本拳法を始める。桜丘高から進学した明大でインカレ団体戦3連覇、個人戦4位。卒業後にボクシングを始め、10年4月プロデビュー。11年全日本スーパーフェザー級新人王。15年12月に日本同級王座獲得(防衛5)。プロ通算24戦23勝(17KO)1敗。身長1メートル73の右ボクサーファイター。

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2018年1月20日のニュース