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【浜田剛史の目】王座奪取の尾川 対策通りのよけ際狙った右が有効

[ 2017年12月11日 09:00 ]

IBF世界スーパーフェザー級王座決定戦12回戦   ○同級4位・尾川堅一 判定 同級5位テビン・ファーマー● ( 2017年12月9日    米ネバダ州ラスベガス・マンダレイベイ・イベンツセンター )

右ストレートで攻める尾川
Photo By スポニチ

 尾川は練習で取り組んだことが出せていた。ファーマーはテクニックに優れるが、相手の右を外すとすぐに左へダッキング(上体を前にかがめてかわす防御)する特徴があり、相手がよける方向へ右を出していくのが作戦だった。右ストレートだけでなく右アッパーも狙い、試合を通じて当て続けたことが、採点の難しいラウンドを抑える要因となった。

 日本拳法出身者は構えがアップライト気味で、まっすぐ押される動きに弱く、パンチに体重が乗らないことも多い。だが、尾川は一本を決めるセンスに加えてボクシングへの適応力が入門当初から感じられ、重心を乗せた打ち方も身につけていた。プロ3年目の試合で顎を骨折して負けたが、その後は防御の意識も高くなった。海外での世界戦も向いていた。騒がれた方がうれしいタイプで本場の雰囲気を楽しんで戦えたのではないか。スーパーフェザー級で防衛を続けるには防御面などの成長が欠かせないが強みである今の攻撃力を落とすことなく課題を消化することが重要だ。(元WBC世界スーパーライト級王者)

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2017年12月11日のニュース