荒川仁人 判定勝ちも「今日みたいな試合では世界は無理」
ボクシングのWBOアジア・パシフィック・ライト級王者・荒川仁人(35=ワタナベ)が2日、東京・後楽園ホールで62・5キロ契約ノンタイトル10回戦を行い、フィリピン同級3位のアドニス・アゲロ(29=フィリピン)に3―0で判定勝ちした。元日本、元東洋太平洋ライト級王者の荒川は31勝(18KO)6敗1分け、海外での試合経験が豊富でミゲル・マリアガ(コロンビア)らとも対戦したアゲロは28勝(19KO)17敗2分け。
荒川は序盤、ジャブでしっかり距離をつくり、ボディーを狙ってくるアゲロをさばくと、左フックから一気にラッシュする見せ場をつくった。しかし、アゲロが圧力を強めてパワフルなボディーを打ってくると、前へ出て応戦。中盤は相手のパワーを持て余し、右ボディーフックをもらって体がくの字になるシーンも増えた。その後はまた打って離れるスタイルに戻し、細かく多彩なパンチを相手にヒット。ジャッジの採点は97―93が2人、98―93が1人の大差判定勝ちだった。
米国で判定負けした13年7月以来2度目の世界挑戦を狙う荒川はリング上で「最低限の結果。自分に対して反省点が多い。今日みたいな試合では世界は無理」と苦笑いした。控え室では中盤に左拳を痛めたことを明かし、打ち合ったことについて「相手を下がらせようとしてしまった。結果的にはボクシングを続けた方が良かった。顔面へのカウンターを狙いすぎたし、組み立てが甘かった」と説明。「相手は根性があった。いい修行になりました」と話した。
現在、ライト級の世界ランクでWBO4位につけているが、世界王座は空位。来年2月3日に米テキサス州コーパスクリスティーでランキング1位のレイムンド・ベルトラン(メキシコ)が出場する王座決定戦が行われる予定で、対戦相手は2位のパウルス・モーゼス(ナミビア)が有力となっている。陣営は荒川に試合を視察させ、ベルトラン―モーゼスの勝者に挑戦させる意向という。荒川はアゲロのタフさを指摘した上で「ベルトランも体が強いし、もしやっても同じ展開になる。もっと強打で回転力がある」と“予行演習”になったことを強調した。
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