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勅使河原 TKO勝ちで新王者!輪島ジム初のチャンピオン誕生

[ 2017年10月12日 22:25 ]

<WBOアジアパシフィックバンタム級タイトルマッチ ジェトロ・パブスタン×勅使河原弘晶>7R、ジェトロ・パブスタン(左)のボディーを攻める勅使河原
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 ボクシングのWBOアジア・パシフィック・バンタム級タイトルマッチ12回戦は12日、東京・後楽園ホールで行われ、同級5位の勅使河原弘晶(27=輪島功一スポーツ)が王者ジェトロ・パブスタン(27=フィリピン)に10回2分52秒TKO勝ちして新王者となった。元世界スーパーウエルター級王者・輪島功一会長(74)が1988年に創設した輪島功一スポーツジムからは初のチャンピオン誕生となった。勅使河原は19戦15勝(9KO)2敗2分け、初防衛に失敗したパブスタンは40戦29勝(9KO)5敗6分け。

 勅使河原は独特の角度で打つフックと頭から突っ込んでくるパブスタンに苦しんだものの、終始前へ出てプレッシャーをかけると、右を上下に打ち込んで試合を優位に進めた。9回に連打で最初のダウンを奪い、10回にも右を効かせてから相手をボコボコにしてレフェリーストップ。リング上で宙返りして喜びを爆発させ、輪島会長にベルトをささげた。

 勅使河原は幼少期、父が再婚した義母にゴミを振りかけた食事を与えられ、学校にも行かせてもらえないなど壮絶な虐待を受けた。中学時代には非行に走り、暴走族となって傷害や窃盗で少年院に2度収容された。小田原少年院にいた19歳のとき、手にしたのが輪島会長の自伝。努力と根性で3度世界王者となった輪島会長に感銘を受けて更生を決意し、ジムに入門した。「ベルトはメチャクチャ重くて試合より手が痛い」と苦笑しながらも、「ボクシングを始めるきっかけになった会長にベルトをプレゼントできて感慨深い」と笑顔いっぱい。「目標はあくまで世界。次はもう1本のベルトを会長にプレゼントしたい」と話した。

 初のサウスポー対策として、試合前にIBF世界スーパーバンタム級王者・岩佐亮祐(セレス)らとスパーリングを重ね「この2カ月で一気に強くなれた」という。ただし、知人を通じて紹介され、練習を見てもらった元3階級制覇王者・長谷川穂積氏からは練習量の少なさを指摘されたそうで、「恥ずかしかった。このままでは先はないなと思った。ここから新しい練習のスタートです」と決意を新たにした。

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2017年10月12日のニュース