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村田お先に!清水が初タイトル獲得、国内最速で東洋太平洋王座

[ 2017年10月3日 05:30 ]

東洋太平洋フェザー級タイトルマッチ12回戦   ○同級11位・清水聡 TKO5回1分54秒 王者ノ・サミュング● ( 2017年10月2日    後楽園ホール )

王座奪取に成功し、歓声に応える清水
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 12年ロンドン五輪バンタム級銅メダリストの清水聡(31)が、プロデビューから4戦連続KO勝ちでプロ初のタイトルを獲得した。韓国人王者ノ・サミュング(25)を接近戦で迎え撃ち、連打で倒して5回TKO勝ち。プロ4戦目での東洋太平洋王座獲得は田中恒成(現WBO世界ライトフライ級王者、畑中)に並ぶ国内最速記録となった。

 清水が1メートル79の長身を折り曲げ、ファイターに変身した。頭から突っ込み、パンチを振ってくる典型的なコリアンファイターに対し最初はカウンターを狙ったが、3回に右フックを被弾。4回の開始前にコーナーの大橋秀行会長が授けたのが、接近戦でショートの連打を浴びせる「レパード玉熊戦法」だった。

 4回、頭をつけての接近戦からボディーで崩し、連打を浴びせてダウンを奪取。5回にも右アッパーで体を起こし、3発叩き込むとレフェリーが試合を止めた。「途中でペースを持っていかれかけて危なかった。思うように体が動かなかったので力でねじ伏せた」。清水と同じ長身サウスポーのレパード玉熊は90年7月、李烈雨(韓国)に10回TKO勝ちしてWBAフライ級王座を獲得。大橋会長はプロデビュー前、清水にその映像を送っていた。「あれが清水のスタイル。アウトボクサーと思ったら実はブルファイター。あれで流れを取り戻した」。大橋会長はうなずいた。

 昨年9月のプロデビューから1年。肉体も戦い方もプロ仕様に変化を遂げた。昨年末から月2回の体幹トレに取り組んだ成果で、押し合いでも負けなかった。振り切ることを心がけたパンチは威力を増し、スパーリングでは9月に世界挑戦したセルバニア(フィリピン、カシミ)を接近戦で圧倒した。世界ランク入りも確実で、大橋秀行会長は「来年には世界挑戦するチャンスをつくる」と確約。同じロンドン五輪組の村田諒太より一足早くプロのタイトルを手にした清水は「あとは村田に託した」と、22日に決戦を控える同い年にエールを送った。

 ≪世界王座最速は田中恒成5戦目≫プロ4戦目での東洋太平洋王座獲得は国内最速タイ記録。日本王座の最速記録も4試合で、日本ジム所属選手ではジェームズ・キャラハン(カワイ)、友伸ナプニ(ヨネクラ)、平仲明信(沖縄)、辰吉丈一郎(大阪帝拳)、井上尚弥(大橋)の5人が達成している。世界王座は田中恒成(畑中)の5試合が国内最速で、東洋太平洋王座獲得後の次戦で達成した。

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