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小国 挑戦の青グローブと王者の赤髪、初防衛へ勝負カラー選択

[ 2017年9月13日 05:30 ]

IBF世界スーパーバンタム級タイトルマッチ   王者・小国以載≪12回戦≫同級3位・岩佐 亮佑 ( 2017年9月13日    エディオンアリーナ大阪 )

<IBF世界スーパーバンダム級タイトルマッチ>前日計量をパスしポーズをとる小国(右)と岩佐
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 ダブル世界戦の調印式と前日計量が大阪市内で行われ、4選手とも一発でパスした。初防衛戦となるIBF世界スーパーバンタム級王者・小国は、高校時代に敗れている岩佐に対し「挑戦者」の気持ちを込め青のグローブを選択。髪色は過去全試合KO勝ちという赤にし、スーパーバンタム級の日本人世界王者で過去1人しか成功していない防衛に挑む。

 いつもの“小国節”は出なかった。調印式では「お互いメインは荷が重い、みたいな感じ?」と自虐的な抱負を述べたにとどまり、サメが描かれたパンツで臨んだ計量もパフォーマンスの前にズボンをはくように指示されたため不発。「嵐の前の静けさ。終わって会見して、しゃべり倒したろうかな」と苦笑したが、「女の子に“明日の試合見てね”とLINEしようかな」と軽口は忘れなかった。

 高校時代に敗れ、スパーリングでも打ち込まれるなど、自ら「4対6で不利」というサウスポー・岩佐との対戦。だが、阿部弘幸トレーナーと「対策は煮詰めてきた」と自信もほのめかした。阿部トレーナーも「世界王者になって忙しくなったけど、練習は誰よりも真面目にやってきた」と真摯(しんし)な態度を口にする。その思いを表したのが、挑戦者の色である青を選んだグローブだ。「岩佐君には負けているので、挑戦者の気持ちで行きたい」。一方で髪の色は金から赤に変えた。「赤の時は全部KOで勝ってる、たぶん」と験を担いだことを明かした。

 データは不利だ。スーパーバンタム級で世界王者になった日本人は小国を含めて9人いるが、戴冠後に引退した長谷川穂積を除くと防衛に成功したのは西岡利晃だけで、6人は初防衛戦で陥落。過去2人いる角海老宝石ジム所属の日本人世界王者も小林光二、小堀佑介ともに初防衛に失敗した。だからこそ挑戦者のつもりでジンクスに挑む。「王者は自分と思っている。王者らしい試合をして勝ちたい」。このコメントにだけ、プライドをのぞかせた。

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