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村田思わずニヤリ…体格不安KO 身長&リーチでエンダム上回る

[ 2017年5月18日 05:30 ]

WBA世界ミドル級王座決定戦   同級1位アッサン・エンダム≪12回戦≫同級2位・村田諒太 ( 2017年5月20日    有明コロシアム )

エンダム(右)と握手を交わす村田
Photo By スポニチ

 トリプル世界戦の予備検診が17日に都内で行われ、出場6選手とも異常なしと診断された。日本人22年ぶり2人目のミドル級世界王者を狙う村田諒太(31=帝拳)は身長1メートル82・8、リーチ1メートル88で、ともにアッサン・エンダム(33=フランス)を上回っていることが判明。世界初挑戦へ向けてパワーやスタミナなど体力強化に努めてきたが、不利が予想されたリーチ差など体格面での不安も一掃して大舞台に臨む。

 予備検診の場でエンダムと初対面した村田は自ら握手を求めた。「僕は手が冷たいので、相手は冷たく感じたんじゃないかな。メンチを切り合うタイプではないので、自然の流れで握手になったのでは」。笑顔で話し、「テレビで見たら、もっと大きいと思っていた。少し小さいかな」と相手の印象を口にした。

 検診結果には驚きがあった。対戦発表時のデータで1メートル93とされたエンダムのリーチは1メートル87・5。短いと思われていた村田の方が0・5センチ長かった。「思ったより僕の手は長いんだな」。村田はニヤリとし「ボクシングは踏み込みやタイミングがあるので、リーチの長さが直接試合に影響するかというと、そうでもない」と冷静に話した。それでも、スピードがある相手に長いリーチを生かしたアウトボクシングを展開されると、やっかいなのは事実。エンダムのアドバンテージが1つ消えたことは確かだ。

 元々体力勝負が基本線。そのためのトレーニングも積んできた。2月に走り込みキャンプ、3月にはフィジカルトレを集中的に行い、「高強度」と「低強度」のメニューを消化した。「高強度」は自転車トレーニング器具などでのインターバルトレでパワーの瞬間最大値を上げる目的があり、「低強度」は長距離をゆっくり走る「LSD(ロングスローディスタンス)」で持久力を高めるものだ。

 指導する中村正彦トレーナーは「ボクシングは3分動いて1分休む、中距離走的な練習をしている。短距離走や長距離走が抜けていると感じた」と指摘。村田が「終わった時は立つのもきつかった」と振り返るハードトレで、足を使うエンダムを追い続けるスタミナ、一気のラッシュで仕留めるパワーは装備された。体格の数字には表れないフィジカルで、キャリアで上回る相手をつぶすだけだ。

 ▼エンダム 村田が背が高いのは最初から知っていた。いい人とも聞いていた。彼がリング上でどう変わるか楽しみ。自分も変わるので。

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