上田晋也が占うメキシコのスター対決「とにかくウエートが一番のポイント」
5月7日(現地時間6日)に米ラスベガスで挙行されるサウル・カネロ・アルバレス(26=メキシコ、50戦48勝34KO1敗1分)対フリオ・セサール・チャベス・ジュニア(31=メキシコ、54戦50勝32KO2敗1分1無効試合)の12回戦は、体重の壁を越えたメキシコのスター同士のカードだ。WBO世界スーパーウェルター級王者のアルバレスが前戦よりも約4・3キロ増量、減量が厳しいチャベスは直近の試合よりもさらに1・6キロ絞って、164・5ポンド(約74・6キロ)の契約体重の試合に臨む。この世界が注目するビッグマッチについて、芸能界きってのボクシングファンの上田晋也(くりぃむしちゅー)にWOWOWが独占インタビューを行い、勝敗の行方を占ってもらった。
――アルバレス対チャベス・ジュニアが決まったと聞いたときは、どう思いましたか。
上田「これは僕の勝手な感想ですが、いよいよアルバレスがゲンナジー・ゴロフキン(カザフスタン=18度防衛中の3団体統一世界ミドル級王者)との試合に向けて本腰を入れ始めたのかなと。ただ、このチャベス・ジュニアとの試合そのものも大事ですよね。体のサイズが違う(アルバレスは身長1メートル75、リーチ1メートル79、チャベス・ジュニアは1メートル85、1メートル85)うえに本来は体重も違うので、アルバレスがどのくらい上の階級で通用するのか試される試合だと思います」
――メキシコではどちらの人気が上だと思いますか。
「体重オーバーの問題を起こしたこともあるチャベス・ジュニアに対しアルバレスはこのところ試合内容がいいので、アルバレスの方が人気は上なんじゃないですかね。でも、個人的にはチャベス・ジュニアに頑張ってほしいんですよ。実はパッキャオ対マルガリートを見に行ったとき、リングサイドでチャベス・ジュニアがいたので一緒に写真を撮ってもらい、サインしてもらったんです。すごく朗らかで良い人でした」
――アルバレスの特徴はどんな点だと思いますか。
「パンチが強いうえ強打のコンビネーションがあってスピードもある。テクニックもありガードも固く、完成度が高いですね」
――どんな点が人をひきつけるのでしょうか。
「20歳ぐらいのときから、まるで厄年を2回クリアした人のような落ち着き払った試合をしていますからね。それでいて昨年のアミル・カーン(英国)戦のようにスカッと倒してくれる(右ストレート一発で6回KO勝ち)。そういうところがメキシコ国民だけでなく全世界のファンの共感を呼ぶんじゃないですかね」
――今回は164・5ポンド(約74・6キロ)の契約体重となります。
「ポイントはそこです。155ポンド(約70・3キロ)までしか戦ったことがないアルバレスに対し、チャベス・ジュニアは試合当日は(計量後のリバウンドで)180ポンド(約81・6キロ)を超えるんじゃないですかね。そうなるとアルバレスは3階級ぐらい上の選手と戦うような感じになると思います」
――どんな試合になりそうですか。
「チャベス・ジュニアはフィジカルが強くてタフ、そしてボディブローが強い選手。ひと回り大きな体でプレスをかけてボディブローでスタミナを奪って、そのうえで後半勝負という作戦でしょう。アルバレスは後半にペースが落ちることもあるので、チャベス・ジュニアが体力で押し切ってしまう可能性もあると思います。でも、アルバレスがスピード、手数でそういった問題を克服するんじゃないかと思うんですよ。とにかくウエートが一番のポイントですね」
――ずばり勝者は?
「チャベス・ジュニアに頑張ってほしいですが、アルバレスの6ラウンドTKO勝ち!カーン戦と同じラウンドかな」
――アルバレスが勝てば、9月にゴロフキンとの対戦が期待されています。
「個人的には、いま一番見たいカードですね。世界中が期待する試合でもあるので、そのためにもアルバレスにはチャベス・ジュニア戦をクリアしてもらわないと、という思いがありますよね」
――当日(5月7日)はスペシャルゲストで出演です。
「KO必至の打撃戦がファースト・ラウンドから見られると思うので、すごく楽しみにしています」
なお、上田がスペシャルゲストとして出演する「サウル・カネロ・アルバレス対フリオ・セサール・チャベス・ジュニア」は5月7日(日)午前11時から、WOWOWライブにて生中継でお届けする。