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ジョシュア、クリチコにTKO勝ち!9万人の前で世代交代果たした

[ 2017年4月30日 07:02 ]

クリチコ(左)からダウンを奪ったジョシュア (AP)
Photo By AP

 ボクシングのWBA・IBF世界ヘビー級タイトルマッチ12回戦は29日(日本時間30日)、英国ロンドンのウェンブリー・スタジアムで行われ、IBF王者のアンソニー・ジョシュア(27=英国)が元3団体統一王者ウラジミール・クリチコ(41=ウクライナ)に11回TKO勝ち。IBF王座3度目の防衛に成功すると同時に、WBAスーパー王座を獲得した。ヘビー級の新旧交代に成功したジョシュアはプロデビューから19戦全KO勝利。2015年11月、タイソン・フューリー(英国)に敗れて以来の再起戦だったクリチコは69戦64勝(53KO)5敗となった。

 チケットが発売とほぼ同時に完売し、約9万人の大観衆が詰めかけた一戦。ジョシュアはクリチコの長いリーチを警戒したのか、やや慎重な立ち上がりを見せた。ジャブの差し合いで初回はクリチコがいい流れをつかみかけたが、ジョシュアは2回に右ストレート、3回にはアッパーを振るうなど圧力を強めた。4回には両者が踏み込んで右ストレートを放つなど打ち合う展開になった。

 5回、試合が大きく動いた。開始からジョシュアが攻勢を仕掛け、左フックからのラッシュでクリチコに膝をつかせるダウンを奪った。しかし、左まぶたをカットしたクリチコが必死に反撃すると、ジョシュアは急激に失速して後退。6回、クリチコは強烈なワンツーを打ち込んでダウンを奪い返し、ジョシュアは受け身の展開を強いられた。

 8回に入るとクリチコは足を使いながらリズムを取り始め、9回にはスタミナが回復したジョシュアも再び前に出た。10回終盤にはクリチコが右ショートカウンターを決めたが、11回には開始と同時にジョシュアの右ストレートがさく裂。右アッパーであごをはね上げてから攻め立てると、クリチコが横向きにダウン。さらに右から左フックを叩き込み、元王者を仰向けにさせる3度目のダウンを奪った。最後はコーナーへ詰めて連打を見舞い、レフェリーストップを呼び込んだ。

 ジョシュアはリング上のインタビューで「FOOOO!」と雄叫びを挙げた。「今日はトレーナー、フィジオ、スタッフに感謝したい。みんなのおかげだ。9万人のみなさんにも感謝する」と地元のファンの大声援に応え、さらに「ボクシングの殿堂入りにふさわしい模範的な選手だ」とクリチコを称えると、フューリーらとの対戦を希望した。一方のクリチコは「今日はアンソニーが強かった」と敗戦を認め、「再戦には興味がある」と話した。

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