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村田“タイソン流”「本能のままリラックス」実践へ

[ 2017年4月27日 05:30 ]

WBA世界ミドル級王座決定戦   同級1位アッサン・エンダム≪12回戦≫同級2位・村田諒太 ( 2017年5月20日    有明コロシアム )

笑顔でシャドーを繰り返す村田
Photo By スポニチ

 日本人2人目のミドル級世界王者を狙うロンドン五輪同級金メダリストの村田諒太(31=帝拳)が“タイソン流”でリングに上がる。26日に都内の所属ジムで試合前最長となる10ラウンドのスパーリングを行い、パートナー3人を圧倒する上々のパフォーマンスを披露。元統一世界ヘビー級王者マイク・タイソン氏(米国)の自伝に感銘を受けたことを明かし、タイソン氏が受けた教え「本能のままリラックスして動く」を実践する考えを示した。

 「今日は良かった。右に切れがあった」。試合前最初で最後の10ラウンドを終えた村田は開口一番、充実感を口にした。「相手のパンチに合わせるのではなく、自分から打ち込んだ方がパンチが生きると確認できた」

 疲れがピークに達する試合3週間前で、世界戦でのベースとなる戦い方をほぼ遂行した。“仮想エンダム”として招へいしたデイ(米国)に対してはジャブを我慢して強いプレッシャーをかけ、サイドへ逃がすことなくロープへ詰めると強烈な右ストレートと左ボディー。課題である返しの左フックもスムーズに出ていた。先週と見違える内容を、村田は「ジャブに依存して、体勢が低くなって右を打つバランスが崩れていた。強いパンチを打つ体勢を大事にしたので右が当たったんじゃないか」と分析。帝拳ジムの浜田剛史代表も「(プロの)4年間で一番いいスパー」と評価した。

 スパー前はジャブと右のタイミングを意識していたが、リングでは自然に体が動いたという。読書家の村田は最近、タイソン氏の自伝「真相」を読み、名トレーナーのカス・ダマト氏の言葉「偉大なボクサーになるには考えることをやめる必要がある」に感銘を受けた。不良少年だったタイソン氏にボクシングを教えたダマト氏は、哲学者ヘリゲルの著書「弓と禅」を読んで聞かせ、「気持ちや感情に動きを邪魔されるな。自分が自分を見ているのが分かるくらいリラックスしろ」と説いた。村田にとっても共感できる理想のスタイルだ。

 「僕は考えてしまうタイプなので、自然に動ければいい」。この日までに試合用のオリジナルTシャツも完成し、胸の部分には五輪金メダルと世界王者の2つを獲得する意味の「BELIEVE IN TWO」が入った。残り約3週間で本能に近い動きを極め、世界のベルトも手に入れる。

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2017年4月27日のニュース