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藤岡、10回TKOで日本選手初の4階級制覇「どうしても勝ちたかった」

[ 2017年3月13日 22:05 ]

<WBA女子世界フライ級 藤岡・ミジャン>最終ラウンド、レフェリーが試合を止めて4階級制覇を達成した藤岡
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 ボクシングのWBA女子世界フライ級王座決定10回戦は13日、東京・後楽園ホールで行われ、同級2位の藤岡奈穂子(41=竹原慎二&畑山隆則)が同級1位イサベル・ミジャン(35=メキシコ)に10回21秒TKO勝ちし、男女を通じて国内初、女子では世界タイ記録となる世界4階級制覇を達成した。2008年に日本ボクシングコミッション(JBC)が女子を公認後、11年にWBCミニフライ級、13年にWBAスーパーフライ級、15年にWBOバンタム級王座をそれぞれ獲得していた藤岡は18戦16勝(7KO)2敗、ミジャンは22戦18勝(8KO)3敗1分け。

 自身より身長が9センチ高いミジャンに対し、藤岡は1回から真っ向勝負を挑んだ。左右のボディーで攻め立て、2回には左ボディーからカウンターの左フックを当てて早くもダウンを奪った。ミジャンは長いリーチを生かして威力のあるフックを振り回したが、その後も藤岡は飛び込んでの左フックや強烈な右を再三叩き込んで圧倒。8回に右から左を打ち込むとミジャンはフラフラになり、最終10回にコーナーに詰めて連打すると、ついにレフェリーストップ。藤岡はジムの特別顧問でもある俳優・歌手の吉川晃司に肩車され、歓喜に浸った。

 「倒れてくれると思ったけど、本当にタフな相手だった。打ち疲れもあって(後半は)精度が落ちて決められなかった」。反省も口にした藤岡だったが、過去に2度挑んで獲れなかったフライ級のベルトに「ホッとしている。前回(昨年10月、メキシコで挑戦失敗)負けているので、どうしても勝ちたかった。やっとフライ級が獲れた」と勝利を噛みしめた。ボディーは「相手が嫌がっていたので、極力ボディーから(攻撃を)持っていくようにした」と説明。「2、3回から自分の距離をつかめた。相手はパンチのスピードも落ちていたし、見切っていたけど、大きく振ってくるのに注意しながら踏み込んだ」と話した。

 藤岡の目標はあくまでも女子世界新記録の5階級制覇。次は1つ下のライトフライ級に下げて狙うことになる。「早くやらないと抜かれちゃうので」と話して周囲を笑わせたが、「女子だから(複数階級制覇は)簡単だとか言われないよう、男子と同じ扱いになるように、質の高い試合をやっていきたい。レベルの高い試合をやった方が周りも喜ぶ」と決意を口にした。2日前の11日には故郷・宮城県などが大きな被害を受けた東日本大震災から6年が経過。「いい報告ができそうなのでホッとしている。今の時期はその話題が多いと思うけど、ちょっとでも明るいニュースを届けることができたのかなと思う」と被災地に思いをはせた。

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2017年3月13日のニュース