年内に世界獲りを!ミニマム級の“大物”京口紘人に注目

[ 2017年3月6日 08:50 ]

プロ6戦目で東洋太平洋ミニマム級王座を獲得した京口紘人 
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 ボクシング界に新たな世界王者候補誕生と言っていいだろう。山中慎介(帝拳)の防衛戦直前のため大きな話題にはならなかったが、2月28日にプロ6戦目で東洋太平洋ミニマム級王者となった京口紘人(23=ワタナベ)だ。後楽園ホールで行われた王座決定戦でフィリピン人選手に3回KO勝ち。昨年4月のデビューから6連続KO勝利、わずか11カ月でプロ初のベルトを獲った。現役世界王者では井上尚弥(大橋)の日本王座獲得がデビューから10カ月(4戦目)で、田中恒成(畑中)の東洋太平洋王座獲得が11カ月(4戦目)だから、同じようなハイペースだ。

 「上を見据えてるんで位置づけは通過点」「年内にこのベルトよりも上のベルトを巻く」――饒舌、というより、よくしゃべる。取材でコメントをメモしていると、あっという間にノートが埋まる。ジムのある先輩女子ボクサーは「おしゃべり○○野郎」(有吉弘行が品川祐につけたあだ名)と毒づいたほどだ。それでも単なるお調子者ではなく、実は自己分析が冷静で鋭い。王座決定戦では2回に連打でダウンを奪い、3回に左ボディーで沈めたが、「最初のダウンは(効かせたパンチではなく)相手が嫌々倒れたもの」「たまたま良いタイミングでパンチが入った」と辛口の自己採点。「倒すまでの過程を大事にしたい。もっと組み立てを工夫しないと。この試合では世界で勝てない」と理想は高い。

 大阪府和泉市出身。大商大で主将を務め、国体優勝など豊富なアマ歴を誇るが、52勝のうちKO・TKOは8つのみ。しかし、プロでは「こんなパンチ力があるとは」(ワタナベジム・渡辺均会長)と周囲を驚かせるほどKOを量産する。目を引くのが多彩な左で、決定打の1つであるアッパー、王座決定戦で見せた「相手の死角から打つボディー」に最軽量級らしからぬ威力がある。ローマン・ゴンサレス(ニカラグア、帝拳)の映像を見て、「ただの真似では通用しないから、自分なりに解釈して取り入れている」と向上心旺盛な性格もプロ向きだ。

 身長1メートル61のミニマム級なのに大食漢なのも、大物らしさを感じさせる。ラーメンを注文する際はもちろん大盛りで、残ったスープにご飯を入れ、さらにギョーザも。王座奪取時の会見でも「酒は飲まないけれど、自分、食べることが大好きなので」と何度も強調し、「減量は大変だけど世界まではミニマム級で突っ走りたい」と意気込んだ。ジムの大先輩である“KOダイナマイト”内山高志にちなみ、リングで紹介される際の愛称は“リトル・ダイナマイト”。「ダイナマイトの名に恥じない試合をしないと内山さんの名に泥を塗る」。ベビーフェイスが引き締まった。 (専門委員・中出 健太郎)

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