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KOで制裁だ!山中 試合前日も緊張感なし挑戦者に「イラッ」

[ 2017年3月2日 05:30 ]

WBC世界バンタム級タイトルマッチ   王者・山中慎介≪12回戦≫同級6位カルロス・カールソン ( 2017年3月2日    両国国技館 )

<WBC世界バンタム級タイトルマッチ前日計量>写真撮影のために近づく山中(右)と、目線をそらすカールソン
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 前日計量が1日に都内で行われ、日本歴代単独2位となる12度目の防衛に挑む王者・山中慎介はリミットより100グラムアンダーの53・4キロで一発パスした。来日後から陽気な世界初挑戦のカールソンに対し「イラッとする」と珍しく不快感を口にし、KOでの“制裁”を予告。相手にギリギリで当たる右ジャブで自分自身の距離をつくり、最後は“神の左”で仕留めるつもりだ。

 山中の表情が一瞬、曇った。計量後、みかんジュースとすっぽんスープを胃に収め「心から試合がしたいという状態に仕上がった。調整に関しては自分を褒めたい」と満足そうに話したあとだ。「メキシカン特有のあの陽気な感じがイラッとするんですけど。試合でハッキリ決着つけます」。

 同じホテルに宿泊するカールソンは減量の心配がないためか、試合直前でも陽気で明るいまま。失礼な態度というわけでもなかったが、調整に細かく気を配ってきた王者には「いちいち、なってない」と映った。計量パス後にコーラをがぶ飲みしたと聞かされると「ふざけてますね」と苦笑い。「キャリアの中で“あの時はああだったな”と反省することになるでしょうね」。苦い思い出に変わることを予告した。

 それでも王者は「気合を入れすぎないように」と冷静だ。過去2戦でダウンを喫した反省から、第一のテーマは相手の右をもらわないこと。ポイントは、自身の左へとつなげるジャブだ。大和心トレーナーも「とにかく右。ジャブが伸びた時に当たったらいいけれど、近すぎると相手も当たる距離になる。ギリギリで当たればいい」と練習から右を当てる距離にこだわってきた。ジャブを放つのに効果的な位置と相手の射程圏との差は「5センチ、いや2センチ」。相手の顔をなぶるようなイメージだが、同トレーナーは「実はパンチよりも、平手打ちの方が顔は腫れる。ジャブが当たれば顔が腫れて見栄えが良くダメージも与えられる」と話した。

 右で試合をつくれば、もちろん仕上げは左になる。具志堅用高が持つ日本記録の13連続防衛には興味を示さない山中だが「結果には凄くこだわってる」とキッパリ。「インパクトのある勝ち方を目指して頑張ります」と決意表明した。

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