久保隼 長谷川先輩に続け!4・9世界初挑戦「ジム盛り上げる」
WBA世界スーパーバンタム級タイトルマッチ 王者ネオマール・セルメニョ≪12回戦≫ 同級9位・久保隼 ( 2017年4月9日 エディオンアリーナ大阪 )
ボクシング東洋太平洋スーパーバンタム級王者の久保隼がWBA世界同級王者ネオマール・セルメニョに挑戦することが決まった。10日に神戸市内で真正ジムが会見し、発表した。世界3階級王者の偉業を達成しWBC同級王者のまま昨年12月に引退したジムの先輩、長谷川穂積氏の後継者となるべく、世界に初めて挑む。
地味なリクルートスーツ姿で、久保が堂々とジムの偉大な先輩、長谷川穂積氏の後継者に名乗りを挙げた。最高のお手本を見続けてきた男は、予想より早く訪れたチャンスに目を輝かせた。
「第三者からみたら、まだ(世界戦は)早いと言われるかもしれないが、勝ってジムを盛り上げたい。長谷川さんとは毎日のように会っている。同じ道を先に進んでいった方なので、今の久保がどのあたりで悩んでいるのか、分かっている」
昨年5月の東洋太平洋王座の初防衛戦。12回判定で辛くも勝った。落ち込む久保に長谷川から「あそこで12ラウンドやったか、やらないかが、世界戦でいきてくる」と先を見据えたアドバイスがあった。救われた久保は「切り替えることができた。長谷川さんがいてよかった」と振り返る。
恩人はまだいる。東洋大3年時の冬、ボクシンングに嫌気がさした。ボクシング部の寮を飛び出し、父・憲次郎さんとも言い争いとなり、京都の実家にも帰れず1週間、公園で寝泊まりする“ホームレス状態”もあった。そこから東京で部屋を借り、ブラブラしているときに声をかけてくれたのが、現会長の山下正人氏だ。
育ててくれた両親に対しても「これまで一回しか、ありがとうと言ったことがない。勝って、もう一度言いたい」と照れる。長谷川イズムを継承するサウスポーは、様々な感謝を胸に王者へ立ち向かう。
◆久保 隼(くぼ・しゅん)1990年(平2)4月8日、京都市出身の26歳。中学から父の手ほどきで競技を始め、南京都(現・京都広学館)3年で高校総体フェザー級準優勝。東洋大卒。13年5月プロデビュー。15年12月にプロ9戦目で東洋太平洋スーパーバンタム級王座獲得。その後2度防衛。身長1メートル70。左ボクサー。
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