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田口ドローでV5「やりづらかった。試合巧者でした」

[ 2017年1月1日 05:30 ]

WBA世界ライトフライ級タイトルマッチ   王者・田口良一 引き分け 同級3位カルロス・カニサレス ( 2016年12月31日    大田区総合体育館 )

ドロー防衛に表情もすっきりしない田口
Photo By スポニチ

 田口は三者三様のドローで辛くもベルトを守った。予想外の展開に苦しんだ。16戦全勝13KOのファイター、カニサレスは序盤、距離を詰めてきたが、3回から足を使って動き回った。懸命に追うも手数が出ず、むしろ挑戦者が下がりながら繰り出す強打を浴びた。両者互いに決定打が出ないまま、ラウンドは進んだ。最終12回は逃げるカニサレスにブーイングが浴びせられる中、田口はセコンド陣の「行け」の指示で、前に出て攻め続けた。結果的にこのポイントが効いて、辛うじて引き分けに持ち込んだ。

 「やりづらかった。もっとバチバチの打ち合いになると思っていたのに、逆でした。(相手は)試合巧者でした」

 接近戦を想定した相撲トレーニングなどファイター対策に力を注ぎすぎたあまりに、想定外の攻撃に対応しきれなかった。それでも何とか王座は守り「ベルトが手元にあるのは大きい」としみじみと語った。IBF王者の八重樫東やWBO新王者の田中恒成との統一戦を期待する声もあるが、田口は「今年は何も言えない」と言葉を濁した。「地道に練習して鍛えるしかない」と出直しを誓った。

 ▼浜田剛史氏 田口の4回以降から見せた、プレッシャーをかけて追い込む戦法はよかったが、肝心の手が出なかった。カニサレスは逃げているように見えて動きはリズムに乗っており採点が三者三様となったのは、その受け止め方の差が出たのだろう。

 ◆田口 良一(たぐち・りょういち)1986年(昭61)12月1日、東京都大田区生まれの30歳。芝商卒。06年7月プロデビュー。07年に全日本ライトフライ級新人王。13年4月、日本同級王者。同年8月、初防衛戦で井上尚弥に判定負け。14年12月、WBA世界ライトフライ級王座を獲得した。身長1メートル67.5の右ボクサーファイター。

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2017年1月1日のニュース