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元看護師の美人姉妹プロボクサー誕生 競技歴1年9カ月で合格

[ 2016年9月27日 08:40 ]

合格証明書を手に持ち笑顔の杉本愛(左)・杉本慧

 元看護師という異色の美人姉妹プロボクサーが誕生した。松本市の新日本カスガボクシングジムに所属する杉本愛(31)と慧(29)で、日本ボクシングコミッション(JBC)が14日に東京・後楽園ホールで行ったプロテストに合格。東日本ボクシング協会初の姉妹プロで来春のデビューを目指す2人は「見ている人に元気を与えたい」と口をそろえて強い決意を語った。

 写真好きの姉、そして、愛犬家の妹…。そんな心優しき仲良し姉妹だが、ひとたびリングに上がれば鬼に変わる。アイドルのようなぱっちり二重が魅力的な愛がギロリと鋭い視線でミットをにらみつければ、スラリと伸びた長い手足が目を引く慧は豪快なパンチをこれでもかと繰り出す。練習の合間にのぞかせる女性らしい笑顔とのギャップも魅力的な信州姉妹プロボクサーが誕生した。

 とにかく経歴が異色だ。高校、大学と留学したニュージーランドで看護師をしていた2人。転機は14年の大みそかに訪れた。松本市の実家でボクシングの世界タイトルマッチをテレビ観戦した際、「拳一つで人を感動させられる」(慧)と感激。格闘技経験の全くない姉妹がその場でプロになることを決意した。

 決断が早ければ、行動も早かった。1月3日にニュージーランドに戻ると、翌4日に退職届を提出。同月末に帰国し、ジムに入会した。それからはボクシング漬けの日々。昼にアルバイトをしながら、週6日の練習。休みも趣味のトレッキングなどで体を動かし、夜はミット打ちで汗を流した。「(上達していく)達成感がある」(愛)「人生で一番充実している時間」(慧)。競技にのめり込み、時に鼻を骨折することもあったが、プロになりたいという気持ちが折れることはなかった。

 “聖地”で行われたプロテストのスパーリングは、受験者が2人だけだったことで初の姉妹対戦に。緊張感漂う中、「姉妹ということを忘れて頑張った」(慧)結果、競技歴わずか1年9カ月で合格を勝ち取った。ジムの春日勝雄会長(76)は「女の子が情熱を懸けてやってきた気持ちを買って面倒を見た。受かって私もうれしい」と笑顔で話した。

 プロ初戦は未定で、来年2、3月の姉妹同時デビューを目指して調整中だ。2人とも独身。「今はボクシングですね」(慧)と勝つためのハードな練習に没頭している。愛が「できる限り上に行きたい」と話せば、慧も「女子ボクシングを盛り上げて再ブーム到来に貢献したい」。夢は膨らむばかりだ。

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2016年9月27日のニュース