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穂積 亡き母へ誓った原点回帰!打たせずに勝つ姿届ける

[ 2016年9月16日 05:30 ]

計量を終えポーズをとる長谷川穂積(左)とウーゴ・ルイス

WBC世界スーパーバンタム級タイトルマッチ 王者ウーゴ・ルイス≪12回戦≫同級5位・長谷川穂積

(9月16日 エディオンアリーナ大阪)
 前日計量をリミットいっぱいで発パスした長谷川穂積(35=真正)がこけた頬で強い意志を示した。「できるだけダメージを負わない、母親が好きだと言ったボクシングを心掛けたい」。現役ラストマッチの可能性がある舞台。原点回帰の思いを口にした。

 かつて5連続TKOで防衛を果たした“倒し屋”ながら、本来は技巧派サウスポーだ。元ボクサーの父・大二郎さんから自宅で叩き込まれたのは、打たせずに打つボクシング。それは同時に、10年10月にがんで亡くなった母・裕美子さん(享年55)が愛したスタイルだった。相手のルイスは身長、リーチともに7・5センチ長い。36勝中32KOを誇る右のハードパンチャーを打たせずに倒してこそ、理想のスタイルにたどり着く。

 長女・穂乃ちゃん(10)との約束を果たすのも今回のテーマだ。「(勝った後)リングに上がりたいと言い続けている。父親として願いをかなえてあげたい」。日本人最年長王者(35歳275日)、日本人4人目の3階級制覇がかかるが、記録は二の次。己のボクシングを完結させるため、そして亡き母、娘、家族に勇姿を見せるために――。引退にあらがい続ける理由はそれに尽きる。

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2016年9月16日のニュース