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兄弟王者だ!拓真 兄・尚弥、八重樫と12月にトリプル世界戦へ

[ 2016年9月6日 05:30 ]

年末に世界挑戦する井上拓真(右)と兄の尚弥

 ボクシングのWBO世界スーパーフライ級王者・井上尚弥(23=大橋)の弟で、前東洋太平洋同級王者の井上拓真(20=同)が、年末にWBO世界バンタム級王者マーロン・タパレス(24=フィリピン)へ挑戦することが決まった。大橋秀行会長が5日に明かした。井上尚、IBF世界ライトフライ級王者・八重樫東(33=大橋)の各防衛戦と合わせ、トリプル世界戦となる見込み。王座を奪取すれば、国内では亀田三兄弟以来の兄弟世界王者になる。

 3度目の防衛に成功した井上尚らの一夜明け会見は、大橋会長のサプライズ発表で始まった。「拓真はWBOバンタム級王者、タパレスと対戦契約している。12月には兄弟で世界戦になる」。詳細は後日発表となるが、デビューから8戦全勝で世界の舞台に上がる井上拓は「いいタイミングで決まった。今からワクワクする。小さい頃からの夢である兄弟世界王者になることを、しっかり成し遂げたい」と話した。

 前夜の世界前哨戦ではWBC世界フライ級15位フローイラン・サルダール(フィリピン)に3―0の判定勝ち。初回に右を食って痛烈なダウンを喫したものの盛り返し、終盤にダウンを2度奪い返した。試合前から「いい内容なら(次戦で世界挑戦が)あると聞いていた」そうで、「冷静に組み立て直すことができたし、成長を実感できた」という。これまでスーパーフライ級を主戦場にしてきたが、バンタム級(リミット53・5キロ)に近い53キロ契約での試合で「過去一番動きが良かった。(体重が)乗ったパンチも打てたし、バンタムが一番いい階級と思う」と1階級上げての戦いに手応えをつかんだ。

 タパレスは通算31戦29勝(12KO)2敗のサウスポー。昨年12月に大森将平(ウォズ)を破って指名挑戦権を獲得し、今年7月にプンルアン(タイ)を11回KOで下して王座を獲得した。井上拓は「パンチはありそうだけど、スタイル的にはかみ合う」と話し、大橋会長も「昨日の試合を経験して100%世界王者になると確信した」と期待を寄せた。ただ一人心配顔だったのが兄・尚弥。「うれしい半面、不安な気持ちもある。いきなりバンタム級というのもあるし、自分の試合より不安。(試合前の)控室ではモニターを見ないようにしようかな…」と複雑な心境を明かした。

 ◆井上 拓真(いのうえ・たくま)1995年(平7)12月26日、神奈川県座間市生まれの20歳。神奈川・綾瀬西高で11年インターハイ優勝などアマ通算57戦52勝(14KO・RSC)5敗。13年12月、6回判定勝ちでプロデビュー。15年7月、東洋太平洋スーパーフライ級王座決定戦に判定勝ちして王座獲得。2度防衛後に王座を返上した。1メートル60の右ボクサーファイター。

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