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和気、王座奪取でフェラーリ!スピード勝負だ 髪も気合もUP

[ 2016年7月20日 05:30 ]

計量後に顔を突き合わせるグスマン(右)に思わず笑みをこぼす和気

IBF世界スーパーバンタム級王座決定戦12回戦 同級1位・和気慎吾VS同級2位ジョナタン・グスマン

(7月20日 エディオンアリーナ大阪)
 ダブル世界戦の前日計量が19日に大阪市内で行われ、IBF世界スーパーバンタム級王座決定戦は和気がリミットより100グラム軽い55・2キロ、グスマンは500グラムも下回る54・8キロで一発パスした。世界初挑戦の和気はトレードマークのリーゼントスタイルで決め、22戦21KO勝ち無敗の相手に初黒星をつけての王座奪取を誓った。

 普段より約5ミリ長く前髪を立て「完璧。気合入れて仕上げた」リーゼント姿で、和気は計量後にグスマンと向き合った。「女の子ならいいけど、顔を近づけてきて、うざかった。早くぶちのめしたい」。世界戦を意識しないように心掛けても気持ちは自然と高ぶる。指を立てた相手の“No・1ポーズ”を見て「明日初めて1敗するという意味でしょ」と言ってのけた。

 デビューから10年で実現した世界戦。「僕みたいな鈍くさいヤツはこれだけかかって当たり前。でも、諦めずにやってきてよかった」。高校ではケンカや暴走行為に明け暮れ、少年鑑別所へ。インターハイ出場時に声をかけてきた古口哲会長を頼ってプロデビューも、「何回も挫折した」。14年にはリゴンドー(キューバ)との世界戦が決まりかけながら、契約問題に巻き込まれる形で“逃亡”。古口会長を激怒させて引退危機に陥ったが「応援してくれる人たちがいる」と思い直し、頭を下げて再出発した。

 1カ月前、「世界王者になれば新しいのが買える」と車を売った。候補はレクサスだが「本当は3000万円のフェラーリが欲しい」。海外にスター選手が多い階級だけに、王者になってビッグマッチが実現すれば十分手が届く。「世界戦は自分の夢だったけど、今はいろんな人の夢につながっているのがうれしい。夢を与えられる人になりたい」。持ち味のスピードで強打者を退け、夢も欲望もかなえてみせる。

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