藤岡 判定でV1、真道からダウン奪い大差 WBO女子バンタム級
ボクシングのWBO女子世界バンタム級タイトルマッチ10回戦は13日、東京・後楽園ホールで行われ、3階級制覇王者・藤岡奈穂子(40=竹原慎二&畑山隆則)が挑戦者の真道ゴー(28=グリーンツダ)に3―0の判定勝ちを収めて初防衛に成功した。藤岡は11年にWBC世界ミニフライ級王者、13年にWBA世界スーパーフライ級王座を獲得。昨年10月にWBO世界バンタム級王座を奪取し、日本ボクシングコミッション(JBC)公認後、国内女子初の世界3階級制覇を達成していた。通算成績は藤岡が15勝(6KO)1敗、真道が16勝(11KO)4敗。
藤岡は初回に元WBC世界フライ級王者・真道の右を受け、腰を落とした。「初めてダウンするんじゃないかと思った。心が折れそうになった。(初回が終わったインターバルで)あんなに焦っているセコンドを初めて見た」。それでもクリンチなどで冷静にラウンドを終わらせると、2回には強烈な右のダブルを打ち込んで主導権を奪い返し、その後は左のカウンターフックを中心に挑戦者を圧倒。8回には連打から右ショートでダウンを奪い、採点が5~7点差の大差判定勝ちとなった。
“女子国内最強”を改めて証明した藤岡は「あそこまでのピンチは初めてだった。2回から立て直すことができて逆に自信になった」とホッとした様子。早くも「女子の年間最高試合では?」と問われると「あと2回ぐらい倒せば決定的だったんでしょうが…」と答えたが、元世界ミドル級王者の竹原慎二会長は「もう決まりでしょう」と太鼓判を押した。陣営は今後、フライ級に落として女子の世界タイ記録となる4階級制覇を視野に入れており、藤岡も「(新記録の)5階級制覇を掲げているので、ここで負けていられないと思った。もっといけるとアピールしていきたい」と話した。
一方、2階級制覇に失敗した真道は4回に受けたバッティングで左眼窩(がんか)底骨折の疑いがあり、試合後は病院へ直行した。本名は橋本めぐみだが性同一性障害を公表しており、長年交際しているパートナーとの結婚や子供を持つために今後は性別適合手術(性転換手術)を受ける意向を示している。本石昌也会長は「本人の意思を尊重したい。初回はいいパンチが入ったが、それで少し力んだかも」と語った。
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