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ムハマド・アリ氏死去 メイウェザー氏、レブロン、タイソン氏ら悼む

[ 2016年6月4日 14:54 ]

亡くなったムハマド・アリ氏 1995年撮影 (AP)

 米国のNBCテレビなどは4日、呼吸器系の病気で入院していたプロボクシングの元世界ヘビー級王者、ムハマド・アリ氏が死去したと報じた。74歳だった。

 アリ氏は米ケンタッキー州ルイビル出身。1960年のローマ五輪でライトヘビー級の金メダルを獲得した。プロへと転向し、64年にソニー・リストン(米国)から世界ヘビー級王座を奪うと、9度の防衛に成功。名前を「カシアス・クレイ」からイスラム教への改宗で変えたアリ氏は、ベトナム戦争で徴兵を拒否したためタイトルを剥奪され、黒人解放運動に加わったこともある。
 
 数々の名勝負を繰り広げたアリ氏だが、1974年にザイール共和国(現・コンゴ民主共和国)のキンシャサで行われたジョージ・フォアマン(米国)との一戦は、ファンの語り草となっており、番狂わせで圧倒的な強さを誇ったフォアマンに8回KO勝ちを収めた。また、76年には東京・日本武道館でプロレスラー、アントニオ猪木との異種格闘技戦に臨んだ。

 1981年に現役を引退。その後、パーキンソン病を患ったが、96年アトランタ五輪では聖火台点火者を務めた。近年は公の場に姿を見せる機会は少なくなったが、最近では米大統領選の共和党候補指名を確実にしたドナルド・トランプ氏が昨年末にイスラム教徒の入国禁止を唱えた際に暗に批判する声明を出した。

 「偉大な人物がこの世を去った。彼は強い気持ちを持って米国に変革をもたらし、世界に衝撃を与えた。残した功績は未来永劫に歴史の一部となる」。そう故人を悼むのは、アリ氏の試合を27戦手掛けてたプロモーターのボブ・アラム氏。

 昨年9月に無敗のまま現役を引退した元5階級制覇王者のフロイド・メイウェザー氏は「アリ氏の功績は言葉では語りつくせない。今日の自分があるのは、彼が道を切り開いてくれたから。我々は偉大なヒーローを失った」とお悔やみのコメントを寄せた。

 バスケットボール界のスーパースター、レブロン・ジェームズは「彼が“史上最強”と呼ばれるのは、リングでの功績ではなく、その外で成し遂げたものによるものだ」と20世紀最高のスポーツ選手、そして、黒人社会のヒーローであったアリ氏へ賛辞を送った。

 また、ボクシングの元ヘビー級王者マイク・タイソン氏はツイッターで「神がチャンピオンを迎えに来た。さようなら、偉大な者よ」と投稿、「RIP(安らかに眠れ)」と悼んだ。

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