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防衛から一夜 尚弥、痛めた拳は軽症強調 八重樫は左肩負傷していた

[ 2016年5月9日 16:01 ]

腫れた拳で一夜明け会見に臨んだ井上(左)と八重樫

 ボクシングのダブル世界戦(8日、東京・有明コロシアム)で王座防衛に成功したWBO世界スーパーフライ級王者・井上尚弥(23=大橋)とIBF世界ライトフライ級王者・八重樫東(33=同)が9日、横浜市内の大橋ジムで一夜明け会見を開いた。

 試合中に両拳を痛めたにもかかわらず、指名挑戦者カルモナ(メキシコ)から最終回にダウンを奪って大差の3―0判定勝ちを収めた井上尚は「昨晩は意外とぐっすり眠れた」と明かし、「良かった点は、まずは勝てたこと。いろいろな戦い方をして次につながる経験を積めたのはよかった。課題はディフェンス面。あれだけ試合をリードしながら無駄なパンチをコツコツもらってしまった。今後は外すように強化したい。やっぱり倒しきりたかった」と話した。両拳はナックル部分を中心に腫れていたが「これは打撲。1カ月もすれば痛みも取れて練習を再開できると思う」と軽症を強調。「奥さんと一緒に旅行へ行ったり、おいしいものを食べて少しゆっくりしたい」と言いながらも「今年は防衛戦と、できれば統一戦をやりたい。拳は使えなくてもそれ以外(の練習)はできる。1週間休んで再開したい」と次戦へ目を向けた。

 一方、2―1の判定で挑戦者テクアペトラ(メキシコ)を下した八重樫は腫れた両目付近を隠すためサングラスをして会見。試合の3週間前に左肩の肩甲下筋と関節唇を損傷し、その後はスパーリングもできずに試合に臨んだことを明かし「左アッパーを打つと肩に痛みが走る。ただ、ケガはつきものとはいえ、言い訳にはならない」と話した。最後は壮絶な殴り合いとなった試合については「あの展開でいろんなことをやろうとして、どれもこれもはまらなかったので行くしかないと思った。あれしかなかった」と説明。「まず生き残れたのが一番の収穫。反省点だらけで、いろんなことを見直す必要がある」とし、「自分はしっかり休みます。肩関節の治療に入って、古傷にならないようにしっかり治すことが先決」と語った。

 井上尚はオプションの関係で、3度目の防衛戦となる次戦は前王者ナルバエス(アルゼンチン)との再戦が濃厚。大橋秀行会長は「9月ぐらい。右拳は(脱臼した前回の)ナルバエス戦の時ほどじゃない」と構想どおりと明かしたが、八重樫の2度目の防衛戦については「(9月は)ちょっと厳しい」と話しており、早くても年末になりそうだ。

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2016年5月9日のニュース