【浜田剛史の目】井上尚弥、浮き彫りになった課題…そのときどう対応するか?

[ 2016年5月9日 08:55 ]

12回、カルモナ(右)からダウンを奪う井上尚弥
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WBO世界スーパーフライ級タイトルマッチ 王者・井上尚弥○判定3―0●同級1位ダビド・カルモナ

(5月8日 有明コロシアム)
 大差のポイントをつけ、最終12回に連打の猛攻でダウンも奪った。勝利は勝利だが、井上尚にとっては“勉強させられる”勝利となった。というのも挑戦者のカルモナは、井上尚を研究し尽くし、徹底していいところを消しにかかってきた。序盤、井上尚の右はよく出ていたが、その右にカルモナは右を返す。左にも右を合わされ、加えて痛めたかな、と感じられるほど、井上尚が右を出す機会が次第に少なくなっていた。5回にチャンスをつかみ攻め込んだが6回、警戒した相手に前に出られ攻勢が続かない。カルモナにパンチ力、決定力がなかったから助かったところもあった。それを踏まえて浮き彫りになった課題は“対応力”だろう。

 英才教育で育ち、今のところ苦戦も経験していない。しかし、何かが起きたり、研究されて苦戦を強いられたりすることは今後、必ずあるわけで、そのときどう対応するかが求められる。これは経験を積むしかないが、日ごろの練習でも意識して心掛けてほしい。井上尚はここ2試合、早い回のKO勝利で気持ちも乗っており、ファンの期待も大きくなっている。ボディーの打ち合いで奪った最後のダウンは、そんな期待に応えたもので大きかった。(元WBC世界スーパーライト級王者)

 ▼具志堅用高氏(元WBA世界ライトフライ級王者)拳を痛めたと思った。俺も何度も経験がある。負けないボクシングができていた。

 ▼村田諒太(ロンドン五輪ミドル級金メダリスト)絶対に手を痛めていた。相手の顔面を打ち抜けず、浅く入っていた。あとは言うことない。完璧な選手です。僕の中では実質12回TKO勝ちでした。  

 ◆井上尚―カルモナVTR 井上尚はKOこそ逃したものの、圧倒した。1回から攻勢で左フック、右ストレートを効果的に打ち込み、5回には連打で相手の体勢を崩した。後半は反撃を許しつつも、12回には右の強打から畳み掛けてダウンを奪い、大差の判定で寄せ付けなかった。手数で対抗するなど粘ったカルモナは有効なパンチを重ねられなかった。

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