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内山V12へ冷静対応 おふざけマスク挑戦者にも「隙のない試合を」

[ 2016年4月27日 05:30 ]

<トリプル世界戦計量&調印式>計量をパスしポーズを決める内山(左から2人目はコラレス)

WBA世界スーパーフェザー級王座統一戦12回戦 スーパー王者・内山高志VS暫定王者ジェスレル・コラレス

(4月27日 大田区総合体育館)
 ドタバタ劇の末にトリプル世界戦が無事成立した。前日計量が試合会場の大田区総合体育館で26日に行われ、WBA世界スーパーフェザー級王座統一戦はスーパー王者・内山高志(36=ワタナベ)がリミットより100グラム軽い58・8キロで一発パスしたが、暫定王者ジェスレル・コラレス(24=パナマ)は59・3キロと400グラムオーバー。約1時間40分後の再計量ではリミットいっぱいの58・9キロで何とかパスし、内山が12度目の防衛に挑む一戦は通常どおり開催されることになった。

 タイムリミットまで残り20分となった午後2時46分。計量会場に戻ってきたコラレスは覆面レスラーのようなマスクをつけ、マッチョポーズで計量台へ向かった。オーバーするとマスクとパンツを脱ぎ、全裸でぎりぎりリミットをクリア。大はしゃぎでテレビカメラに向かって「内山、しっかり戦えよ!」と吠え、報道陣の失笑を買った。

 21日の来日時に7・4キロオーバーの66・3キロ。この日の予備計量で400グラムオーバーすると、計量10分前の午後0時50分から駐車場で縄跳びを始めた。体重が落ちるわけもなく、7分遅れで始まった計量は失敗。再計量まで2時間の猶予が与えられ、会場近くのサウナにこもった。体のタトゥーは見逃してもらったが、サウナ室で縄跳びを試みて利用客から「出ていけ!」と怒られ、部屋の外で跳んでいたという。

 経験豊富な内山も相手の計量失敗は初めてだった。自身の計量後「頑張って落としてほしい。時間内に体重をつくれないならボクサーの資格はないと思う」と話し会場を後にしていた。ルールでは再計量に失敗した挑戦者と戦う場合、王者の内山が勝つか引き分けなら防衛、負けても王座保持。それでも連続防衛記録を更新中の内山にとって、変則タイトル戦はケチがつけられる可能性もあり、電話で連絡を受けると「安心した。よかったです」と話した。

 コラレスは「パナマでは通常午後4時から計量だから大丈夫と思っていた」と悪びれる様子はなし。「体調は問題ない」と話したが内山は「きついでしょう。足もきついと思う」と試合への影響を指摘した。暫定王者を退ければ、具志堅用高氏が持つ13連続防衛の日本記録に王手となる。普段から節制に努めるスーパー王者は「チャンスがあればもちろん倒す。判定でも圧勝、隙のない試合をしたい」と意気込んだ。

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