女子東洋太平洋ダブル戦でともに新王者誕生 秋田屋、花形が勝つ
女子ボクシングの東洋太平洋ダブルタイトルマッチが1日、東京・後楽園ホールで行われ、ともに新王者が誕生した。アトム級では秋田屋まさえ(37=ワイルドビート)が王者・神田桃子(29=勝又)に2―0の判定で、ミニフライ級では花形冴美(31=花形)が王者・小田美佳(32=宮田)に5回1分30秒TKOで、それぞれ勝利した。
北海道芦別市出身の秋田屋は長いリーチを生かしたジャブで神田の前進を食い止め、効果的に右フックを当ててポイントをリード。終盤の打ち合いでも神田の気迫に負けず、ジャッジ2人が77―75で秋田屋を支持(残り1人は76―76)した。世界挑戦に4度失敗し、13年2月に宮尾綾香(大橋)に敗れて一度引退したが、「ボクシングが好きで、またやりたくなった」とカムバック。昨年8月に亡くなった祖母・初枝さんにベルトを見せられなかったのも「悔いが残っていた」という。この日は両親が持つ初枝さんの遺影に見守られ、ボクシングを始めて初のタイトルを奪取。5月に北海道へ帰郷した際に初枝さんのお墓参りをする予定で「目標にしているのは世界なので、こんなところでつまずいていられない」と話した。
一方、2度の世界挑戦経験を持つ花形は序盤からスピードあふれる攻撃で小田を圧倒。5回の猛攻で相手陣営がたまらずタオルを投入し、TKO勝ちで14年9月にタイトルを奪われた小田からベルトを取り返した。「自分を自分で追い詰めて落ち込んだ時に(花形進)会長から“おまえの方が上だ”と励ましてもらって立ち直れた。前半は相手が大きく見えたけど、今回は顔が腫れても打ち合いでは引かないと思っていた」。花形ジムはWBC世界ミニマム級7位の大平剛が3日に敵地タイで王者ワンヘン・ミナヨーティン(タイ)への挑戦を控えており、花形会長は「世界戦へいい波をつくってくれた」と目を細めていた。
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