尚弥 衝撃の2回TKO!手術の右拳でガードの上から粉砕初防衛

[ 2015年12月30日 05:30 ]

パレナス(右)にガードの上からアッパーを見舞う井上尚

プロボクシングWBO世界スーパーフライ級タイトルマッチ12回戦 ○井上尚弥 2回TKO ワルリト・パレナス●

(12月29日 東京・有明コロシアム)
 WBO世界スーパーフライ級王者・井上尚弥が挑戦者パレナスを2回TKOで下し、初防衛に成功した。昨年末に右拳を痛めて休養を余儀なくされたが、1年ぶりの復帰戦で2度ダウンを奪うなど、わずか260秒で圧勝した。

 まるで1年前の再現だ。2回、井上は相手のガードの上から、構わずこん身の右ストレートを叩き込んだ。パレナスの足元がふらつくと、すかさず連打でダウンを奪取。ひるんだ相手にさらに左フックを利かせて2度目のダウンを奪うと、レフェリーはストップ。ガードの上からパンチでダウンを奪ったのも、2回で早々と決着させたのも、昨年末に世界王座計27度防衛の王者ナルバエスに勝った時と同じだった。

 大橋秀行会長は「2試合続けてブロックの上からパンチを利かせるなんて、スーパーフライ級で見たことない。やっぱりモンスターだね」とその驚異的なパンチ力に感心しきり。怪物はさらに強くなって帰ってきた。

 「1年ぶりで不安もあったけれど、ホッとしてます。昨年同様、パーフェクトな試合ができた。めちゃくちゃ楽しかったです」

 1年間のブランクをつくる原因となったナルバエス戦で痛めた右拳。試合後、実は脱臼の重傷で、「悩んだ」末に3月に手術していたことを明かした。全く握れず、同じ症状で手術となった内山高志(ワタナベ)に相談しての決断。完治は秋ごろ。練習は1カ月まったくできなかった。それでも右が使えない分、左のパンチを徹底的に練習した。その鍛えた左ジャブが初回からさえた。「1%の不安」と話していた右も思い切り打ち込めた。将来を見据えて手術した選択は間違いではなかった。

 今月1日、高校1年から約7年間付き合う咲弥さん(21)と結婚した。大事な復帰戦が決まり「けじめをつけたかった」と婚姻届を提出。「責任感が増した。今までで一番負けられない」とより気持ちは引き締まった。復活の勝利は初めての夫婦の共同作業だった。

 次戦は4月に国内での開催を予定しており、結婚式はその後になる。大橋会長は「来年中には海外で防衛戦をする」と海外進出を計画。井上も「オファーがあれば米国でもやってみたい」と乗り気だ。そして近い将来、軽量級最強といわれるWBC世界フライ級王者ローマン・ゴンサレス(ニカラグア)との頂上対決が目標だ。強打者の宿命である拳の負傷。その試練を乗り越えた井上の2016年は公私ともに充実した日々が待っている。

 ▼井上―パレナス 井上は約1年間のブランクを感じさせず、圧勝した。1回から左を起点に距離とリズムをつかんだ。2回は早々にパレナスをロープ際に追い込み、右で最初のダウンを奪った。追撃し、連打をまとめて2度目のダウンを奪うと、レフェリーが試合を止めた。パレナスは単発の攻撃が精いっぱい。強打も不発に終わった。

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