高山V2!バッティング流血に燃えた「切れてエンジンかかった」
ボクシングダブル世界戦 IBF世界ミニマム級タイトルマッチ12回戦 ○王者・高山勝成 8回TKO 同級10位・原隆二●
(9月27日 エディオンアリーナ大阪)
IBFミニマム級王者の高山勝成は同級10位の原隆二を8回1分20秒にTKOで沈め、2度目の防衛を果たした。WBO同級王者の田中恒成(20=畑中)との統一戦も、一気に現実味を帯びてきた。
左目まぶたの流血がラッシュの合図だった。それまで原の振り回すような右フックをうかがっていた高山は、バッティングを受けた直後に自ら攻勢を仕掛けて連打を浴びせ始める。ボディーブローで体力を削りながら最後は相手がフラフラになるまで打ち続け、8回1分20秒にレフェリーのストップを呼び込んだ。
「(目が)切れてからエンジンがかかったのは確か。スタミナも集中力も切れだしていたので、ここが行きどころかな、と」
圧巻TKO劇の後、もう一つのクライマックスが待っていた。勝利インタビューの最中、リングサイドで観戦していたWBO王者の田中を自ら呼び寄せ、2人でトーク。12歳年下の王者からの「大みそかに名古屋で高山さんとやれたら」と笑顔交じりでの挑発を真正面から受け止め「僕はいつでも大丈夫」とこちらも笑顔で返答。「12・31」の統一戦が一気に現実味を帯びてきた。
田中の希望する会場の名古屋は、相手の本拠地であると同時に自身が通う菊華高の所在地。「名古屋のクラスメートや学校のみんなにファイトしているところを生で見てもらいたい気持ちもある」と歓迎。誰もが待ち望む頂上決戦に向け、早くも気持ちを高ぶらせた。
◆高山 勝成(たかやま・かつなり)1983年(昭58)5月12日、大阪市出身の32歳。05年4月にWBC世界ミニマム級王座を獲得。06年11月にWBA世界ミニマム級暫定王座を決定戦で獲得して2団体制覇。09年11月にJBCへ引退届を提出して海外を拠点に活動。13年3月にIBFミニマム級王座を獲得し、日本初の3団体制覇。同7月にJBCに復帰して仲里ジムに所属。14年8月にIBF・WBO王座統一戦で判定負けして陥落。同12月にIBF・WBOのダブル王座決定戦で7回TKO勝ち、4団体制覇を達成。1メートル58、右ボクサー。
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