高山血まみれ初防衛!9回負傷判定勝ち!さあWBA正規王座獲り
IBF世界ミニマム級タイトルマッチ12回戦 ○王者・高山勝成 負傷判定9回2分19秒 同級9位・ファーラン・サックリン・ジュニア●
(4月22日 大阪府立体育会館)
IBF世界ミニマム級王者の高山勝成(31=仲里)はファーラン・サックリン・ジュニア(21=タイ)を9回負傷判定で下して初防衛した。
打ってこないなら、打っていくまでだ。高山がカウンター狙いのファーランを手数で圧倒した。3回以降は身長で8・1センチ、リーチで12・4センチ上回る相手との距離をつかみ試合を掌握。9回負傷判定による初防衛は明らかな消化不良ながら、随所にらしさは見せた。
「続けていたらTKO勝ちできていたと思う」。8回は2分近く相手にロープを背負わせる猛ラッシュ。右アッパーと左フックの一撃必殺にかける10歳年下のタイのホープに反撃の機会を与えない。「相手がカウンター狙いなので、狙ってくる前にパンチで倒したれという感じでした」と両まぶたをカットしながらパンチを放ち続けた。
4月から菊華高(愛知)の2年生になった。30歳を超えて高校進学を果たしたように、チャレンジ精神は旺盛。格闘技選手の指導で有名なケビン山崎氏の下でのトレーニングではエアロバイクのメニューを今回から取り入れた。臀部(でんぶ)の筋肉の悲鳴と戦いながらバイクをこぎ続けた結果、心拍数などの数値が改善された。ケビン氏から「トライアスロン選手並みのパワー」というお墨付きをもらっていた。
次は“やり残し”を片付けることが最優先。ミニマム級主要4団体制覇のうち、06年に獲ったWBAだけは暫定王者だった。「自分の第1目標はWBAのベルトを獲ること」。統一戦で正規王者になれば、また新たな勲章を加えることになる。
≪負傷判定 4回までならドロー≫偶然のバッティングによる負傷などで続行が不可能となった場合、4回までにストップとなれば負傷引き分け(王座の移動はなし)となる。5回以降であれば、ストップとなったラウンドまでの採点で勝敗が決定。団体によって細部でルールが異なり、WBCは4回終了後のインターバル中にストップとなっても引き分けとなる。
▼高山―ファーランVTR 高山が立ち上がりから約12センチのリーチ差をものともせず前へ出て圧力をかけ続け、負傷判定勝ちした。挑戦者をコーナー、ロープ際に追い詰めて左右のフックやボディーを打ち込み優位に試合を進めた。7回に左まぶた、8回に右まぶたを切り、9回に出血がひどくなったため試合を続行できなくなったが、3―0の圧勝だった。
◆高山 勝成(たかやま・かつなり)1983年(昭58)5月12日、大阪市出身の31歳。00年10月デビュー。05年4月にWBC世界ミニマム級王座を判定勝ちで獲得。初防衛戦で陥落。06年11月にWBA世界ミニマム級暫定王座決定戦で9回負傷判定勝ち、2団体制覇。その後、統一戦で敗れて陥落。13年3月にIBFミニマム級王座を判定勝ちで獲得した。同7月にJBCに復帰し、14年8月にIBF・WBO王座統一戦で判定負け。同12月にIBF・WBOのダブル王座決定戦で7回TKO勝ち、日本初の4団体制覇を達成。1メートル58、右ボクサー。
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