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天龍「もうおなかいっぱい」11・15両国でラストマッチ

[ 2015年2月10日 05:30 ]

ポスターに向かって天龍チョップのポーズをとる天龍源一郎

 “ミスタープロレス”天龍源一郎(65)が9日、都内で会見を開き、引退することを正式発表した。引退理由は体力的な問題ではなく、家族の病気やプロレス人気が回復してきたことで自ら「潮時である」と決断した。今後は「天龍源一郎引退~レボリューションファイナルツアー」と題して全国約30カ所でリングに上がり、11月15日に予定している両国国技館での興行で39年のプロレス人生に幕を閉じる。

 長らくスポットライトを浴び続けてきた天龍だけに、最近のプロレスの会見では異例のテレビカメラ8台、約80人の報道陣が集まった。11月で現役引退することを表明すると「潮時かなと思った。楽しいプロレス人生だったし、もうおなかいっぱい」とすがすがしい表情で話した。

 39年のレスラー生活に終止符を打つことを決断したのは「支えてくれた奥さんの病気」と「プロレス人気が盛り返したときに身を引いた方がいいと思った」という理由からだ。現在は回復しているが、妻のまき代さんが昨年、病に倒れた。さらに新日本を中心にプロレスが“復興”してきたことで、自身の昭和のプロレスに限界を感じ始めていた。昨年12月中旬に天龍プロジェクト代表で長女の紋奈さんらと話し合い、引き際を決めた。

 89年11月にはハンセンとのタッグで師匠のジャイアント馬場をパワーボムで仕留め、94年1月にはアントニオ猪木も倒した。両選手からフォールを奪った日本人は、天龍だけ。それがプロレスでの一番の思い出で「馬場さんに感謝したい。自分自身こんなにプロレスにはまるとは思っていなかった」と振り返った。

 引退は表明したが“天龍革命”はもう少し続く。「さっと身を引くのも格好いいが、プロレスにはいい思いをさせてもらった。恩返ししたい」。今後は全国各地で引退興行を行い、他団体を含めて30試合前後のリングに立つ。まずは、21日の「道頓堀プロレス」が引退表明後初のリングとなる。

 ◇天龍源一郎(てんりゅう・げんいちろう)1950年(昭25)2月2日、福井県勝山市出身の65歳。本名嶋田源一郎。中学2年の時に大相撲の二所ノ関部屋に入門。64年初場所で初土俵を踏み、73年初場所で新入幕。76年秋場所後に引退し、同年10月全日本プロレスへ入団。89年に3冠ヘビー級王者、99年にIWGPヘビー級王者となった。その後、SWS、WARなど各団体で活躍。10年3月に「天龍プロジェクト」を立ち上げた。得意技は天龍チョップ、グーパンチ、垂直落下式脳天砕き。

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