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高山 スタミナ勝ち!30歳高校生王者、さらなる高みへ

[ 2014年5月8日 05:30 ]

2度目の防衛に成功しリング上で喜ぶ高山

IBF世界ミニマム級タイトルマッチ12回戦 ○王者・高山勝成 判定 同級10位・小野心●

(5月7日 大阪・ボディメーカーコロシアム)
 無尽蔵のスタミナで押し切った。予想以上にパンチを食らい、顔はパンパンに腫れ、両目のまぶたを切った。それでも高山の手数と足が最後まで衰えることはなかった。3―0の判定勝ちで2度目の防衛を果たした。

 「前半は小野選手の左はノーモーションから独特のタイミングで飛んできた。中盤から後半は小野選手のスタミナ、集中力が切れてきてガードがおろそかになっていた」

 言葉通り前半は苦しんだ。7年ぶりの日本人との対戦は01年の同じ新人王戦に出ていた“同期”であるサウスポー小野が相手。12センチのリーチ差もあって左を食らった。7回に左、8回に右まぶたを切った。ただし「ダメージはなかった」と振り返り、攻撃の手は緩めなかった。それが10回に生きる。ラウンド途中、小野がロープに寄りかかって動きを止めた。高山はレフェリーに視線を飛ばし、試合を止めないことを確認すると一気にラッシュ。ダウンを奪った。「日本のレフェリーなら、間に入ったかもしれない。僕は海外で試合をやっているので」。09年に国内のジムを飛び出し、メキシコでタイトルを獲得した経歴はダテではない。豊富な海外経験から来る冷静さで流れを決定付けると、12回にふらふらの相手からもう一度ダウンを奪った。

 勝利インタビューではリング上から同級生に呼びかけた。「菊華高校のみんな、やったで。学校行ったら、また授業教えてな」。4月に愛知県の菊華高校に入学。中学卒業後、すぐにプロボクシングに身を置いた30歳が、将来の指導者を目指す上での選択だった。

 第二の人生を頭では考えているとはいえ、燃え尽きたわけではない。「4団体制覇が目標」。夢実現へ、“高校生チャンピオン”の歩みは止まらない。

 ▽高山―小野VTR 高山は終盤に2度のダウンを奪い、実力差を示した。10回はロープ際で動きを止めた挑戦者に連打を浴びせ、12回は激しい打ち合いを優位に進め相手が崩れた。積極的に前に出るスタイルを貫き、右のフックやストレートなど有効打でも上回った。小野はタイミングの良い左フックで応戦したが、パンチが単発で劣勢を強いられた。

 ◆高山 勝成(たかやま・かつなり)1983年(昭58)5月12日生まれの30歳。大阪市出身。05年4月にWBC世界ミニマム級王座に初挑戦で奪取、初防衛戦で陥落した。06年11月にWBA世界ミニマム級暫定王座決定戦を制し2団体制覇。13年3月に敵地でIBFミニマム級王者のロドリゲス(メキシコ)に12回判定勝ち、日本初の3団体制覇。戦績は27勝(10KO)6敗1無効試合。1メートル58、右ボクサー。

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