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3階級制覇へ!長谷川“集大成”世界戦「KO考えていない」 

[ 2014年4月23日 05:30 ]

計量をパスし、控えめにファイティングポーズをとる長谷川

IBF世界スーパーバンタム級タイトルマッチ 王者キコ・マルティネスVS同級13位・長谷川穂積

(4月23日 大阪城ホール)
 ダブル世界戦の前日計量が22日、大阪市内で行われ、出場4選手はすべて一発クリアした。IBF世界スーパーバンタム級13位の挑戦者、長谷川穂積(33=真正)はリミットの55・3キロ、同王者キコ・マルティネス(28=スペイン)は54・9キロ、WBC世界バンタム級王者の山中慎介(31=帝拳)はリミットの53・5キロ、同挑戦者シュテファーヌ・ジャモエ(24=ベルギー)は53・1キロだった。3階級制覇が懸かる長谷川はKOを狙わないと宣言し、6度目の防衛戦の山中は対照的にKO勝利を誓った。

 無数のフラッシュと拍手を浴び、長谷川は両拳を軽く握り、マッスルポーズで応じた。前日計量をリミットの55・3キロで一発クリア。精かんさを増した顔つきが減量の厳しさを物語る。計量器を下りると、おにぎりとスポーツドリンクで飢えと渇きを癒やした。

 IBF立会人の来日が遅れ、この日に延期された調印式など手続きも終了。グローブチェックでは初心に戻る“挑戦者”の青いグローブの感触を何度も確かめ、慎重に選択。IBFのルールに定められている当日計量を経て、3年ぶりに世界戦のリングに立つ。「集大成」と位置づける大一番へ高ぶる気持ちを抑えて決意表明した。

 「僕にとっては大きな試合。まず自分のボクシングを出し尽くす。自分自身が満足できて、勝利という結果がついてくればいい。KOは正直、考えていません」。WBC世界バンタム級王者時代は5連続KO防衛も経験しているが、今回はKOは狙わない。“自分が満足できるか否か”に大きな価値を置く。

 10年11月のWBC世界フェザー級王座決定戦は、最愛の母・裕美子さんが亡くなった直後で“弔い合戦”の気合で臨んだ。壮絶な打ち合いの末、判定で2階級制覇を達成。功成り名を遂げ、戦う理由を探すことに苦労した時期もあった。たどり着いたのは「自分が本当に強いのかを知りたい」という境地だ。

 長谷川にとってスーパーバンタム級が“適正階級”という指摘は以前からあった。「自分の強さを知る」には絶好の舞台だ。我流だった減量方法を改め、1カ月半をかけた。足を使い、堅い防御で打たせないボクシングを取り戻す練習にも励んだ。そして、本人が「100%」と断言する状態に仕上がった。自身が納得できる最高のパフォーマンスを発揮したとき、3階級制覇の偉業は達成される。

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2014年4月23日のニュース