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亀田3兄弟“国外追放処分”ジム会長のライセンス剥奪

[ 2014年2月8日 05:30 ]

選手ライセンスが失効となった亀田3兄弟(左から)大毅、興毅、和毅

 日本ボクシングコミッション(JBC)は7日、都内で会見し、昨年12月のIBF・WBA世界スーパーフライ級王座統一戦でIBF王者の亀田大毅(25=亀田)が敗れて王座保持となった問題で混乱を招いたとして、亀田ジムの吉井慎次会長と嶋聡マネジャーのライセンス更新を認めないと発表した。興毅(27)大毅、和毅(22)の選手ライセンスも失効となり、事実上の国外追放処分となった。JBCはライセンス再交付の条件に、父・史郎氏(48)の影響力の完全排除を挙げた。

 IBF立会人が前言を覆して大混乱となった王座統一戦から約2カ月。JBCはクラブオーナーとプロモーターのライセンスを持つ吉井会長とマネジャーライセンスを持つ嶋氏に14年の更新を認めない厳しい処分を下した。JBCは、対戦相手が体重超過で失格となった試合で亀田側が勝敗に関係なく王座にとどまることを事前に知っていながら報告を怠り、公表もしなかった点を問題視。秋山弘志理事長は「多くの人々からボクシングの公平性を疑われ、JBCの信用が傷つけられた」と処分理由を説明。亀田家として6件目(延べ計11人)の処分で「JBCとの信頼関係は破綻している」とした。

 ジムは活動停止となり、今後3選手が国内で試合をするためには新たに会長、マネジャーを置くか、他ジムへの移籍などの措置が必要になる。だが、それも簡単な道ではない。秋山理事長は「JBCライセンスを有しない人物が実質的なオーナー、プロモーターで、ガバナンスが不健全」とセコンドライセンス取り消しとなっている父・史郎氏がジム運営を主導している事実を指摘。新たな会長などを用意しても「(史郎氏の)影響力を排除しなければ、亀田ジムにはライセンスを与えられない」とした。「名義貸し」の移籍も認めない方針。事実上の国外追放だ。

 興毅はWBAバンタム級王座を返上したものの、大毅、和毅が今後、王座を保持するためには海外で試合を組み防衛していくしかない。亀田ジム関係者は今回の処分について「お答えすることはできない」と話すにとどまったが、同ジム代理人の北村晴男弁護士は再審議を要請した上で処分が覆らない場合、無効を訴え提訴する意向を示している。昨年は史上初の3兄弟世界王者となり、ギネス世界記録にも認定された亀田家だが、一転して苦境に追い込まれた。

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