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大毅の対戦相手 体重超過で王座剥奪!ヤケクソ水がぶ飲み

[ 2013年12月3日 05:30 ]

和毅(右)、興毅の見つめる前でマイクを手にアピールする亀田大毅

IBF・WBA世界スーパーフライ級王座統一戦 IBF王者・亀田大毅―WBA前王者・リボリオ・ソリス

(12月3日 大阪・ボディメーカーコロシアム)
 ボクシングの3大世界戦「亀田祭り」の公開前日計量が2日、大阪市内のショッピングモールで行われ、IBF・WBA世界スーパーフライ級王座統一戦でIBF王者の亀田3兄弟の次男・大毅(24=亀田)が対戦するWBA王者のリボリオ・ソリス(31=ベネズエラ)が1・1キロの体重超過で失格し、王座剥奪となった。王者同士の統一戦では前代未聞の失態。大毅が勝てば統一王者となることに変わりはないが、大一番に水を差すドタバタ劇となった。

 2人の王者のうち1人が前代未聞の失格劇を演じてしまった。午前11時の最初の計量。大毅はリミットの52・1キロで一発クリアした。続いてはかりに乗ったソリスは何と1・4キロ超の53・5キロ。1階級上のバンタム級のリミットにあたる体重で、パンツを脱ぐまでもなく最初の計量クリアを諦めた。

 2時間以内にクリアすれば問題はない。街中に出て走った。日本選手ならサウナを使うこともあるが、背中にバラのタトゥーの入ったソリスは使えない。約1時間後に戻って再計量した体重は53・2キロ。わずか300グラムしか落ちていなかった。

 この数字を見て、ソリスの我慢は限界に達した。ペットボトルの水を取り出すと、立ち会った日本ボクシングコミッション(JBC)関係者の「アカンよ」という制止を振り切り、ゴクゴクと喉を鳴らして一気飲み。大きな目をギラつかせて「円でもペソ(旧スペイン語圏の通貨)でも払ってやるよ」と捨てゼリフを吐いた。さらに用意していたジュースを飲み、計量会場脇の自動販売機でコーラと水を追加で購入。計7本の500ミリリットル入りペットボトルを空にした。もうヤケクソだ。

 残り1時間あった再計量の猶予を放棄すると「日本の寒さで減量がうまくいかなかった。あと1時間走っても、これ以上は汗が出ない」と開き直った。だが、ルールミーティングで正式に王座剥奪が伝えられると号泣。JBCの森田健事務局長(78)は「世界戦110戦レフェリーをやってきたけれど、こんなことは初めて」と開いた口がふさがらなかった。

 大毅は9月のIBF王座決定戦でも相手のゲレロ(メキシコ)がクリアに2時間かかる計量トラブルがあったばかり。「前回のヤツもオーバーした。(5月以来の試合のソリスは)久々やからかなあ。競馬でも休み明けはきつい。でも馬はプラスでも出られるけれど、ボクサーは出られないからねえ」とあきれるしかなかった。

 試合そのものはグローブハンデなしで予定通り行われる。敗れれば王座を失い、勝てば統一王者となることに変わりのない大毅は「自分のボクシングをするだけ。今年最後の試合をきれいにKOで仕留めたい」と言った。ソリスは勝ってもどちらのベルトも手にできない。違約金も発生する見込みで、意欲の低下は間違いない。昨年6月の井岡・八重樫以来、国内2度目の団体王座統一戦は、一方にしかベルトのチャンスがない緊張感を欠く戦いになってしまった。

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