山中160秒殺V4!「亀田君、統一戦しましょう」

[ 2013年8月13日 06:00 ]

山中の“左”に亀のようになるニエベス

WBC世界バンタム級タイトルマッチ12回戦 ○王者・山中慎介 KO 1回2分40秒 同級8位ホセ・ニエベス●

(8月12日 大田区総合体育館)
 「神の左」がさく裂した!ダブル世界戦が行われ、WBC世界バンタム級王者・山中慎介は同級8位のホセ・ニエベスを左ストレート1発で倒し、初回わずか2分40秒でKO勝ち。4度目の防衛に成功した。3戦連続KO防衛は日本人世界王者では、具志堅用高(6回)、長谷川穂積(5回)、西岡利晃、内山高志(4回)に次ぐ歴代5位タイ。王座統一戦、目標とする米ラスベガス進出へ向け前進した。

 観客にとっては連日のうだるような暑さも和らいだことだろう。何とも爽快なKO劇だ。山中は開始直後こそ様子をうかがっていたが、2分を過ぎるとトップギアにシフトチェンジ。ニエベスのボディーに強烈なワンツーを打ち込んだ。さらに左ストレートが相手の顔面を捉えると、ニエベスの腰が一気に引けた。「左を嫌がっているのが分かった」。王者はおびえるような表情のニエベスにさらに襲いかかる。遠い距離から飛び込んで顔面に左ストレート。ニエベスは1メートルほど吹き飛ばされ、ロープに打ちつけられると、そのままへたり込んだ。ぼう然としたまま、10カウント。わずか160秒の秒殺劇だった。

 「正直、生意気ですけど、もう少しやりたかったのが本音です。早く終わり過ぎて、すみません」

 4戦連続のサウスポーとの対戦。元世界王者との過去3戦をクリアした山中にとっては勝って当たり前の相手だったが、文句なしの内容だった。7月に一時調子を落とし「きつかった。最近では一番苦労した」と漏らすがしっかり体調を整えて苦手の夏を克服した。

 勝負を決めたのは、またしても「神の左」と呼ばれる左ストレートだった。山中ほど器用な男も珍しい。「7対3の左利き」。鉛筆は左、はしは矯正されて右で持つ。中学までプレーしていた野球では右投げ、右打ちだった。南京都高(現京都広学館高)で本格的にボクシングを始めた時に、ロンドン五輪男子ミドル級金メダリストの村田諒太(三迫)らも育てた故武元前川監督に右構えから「バランスがいい」左構えへの転向を勧められた。実は山中自身は「パワーは右の方がある。右でやりたかった」が本音だった。だが、恩師のアドバイスを信じ、器用な左を磨き続けた。今では左は一撃必殺の神の領域だ。

 観客席には今月1日にWBOバンタム級王座を獲得した亀田和毅の姿があった。現在、バンタム級はWBAのベルトを亀田興毅が持っており、主要4団体のうち3王者が日本人。山中はリング上で「亀田君(2人)、ぜひ統一戦しましょう。日本を盛り上げましょう」と呼び掛け、IBF王者のジェーミー・マクドネル(英国)の対戦にも関心を持っているという。真の王者は1人でいい。直接対決で最強を証明する機は熟した。

 ▽山中―ニエベスVTR 山中が1回に左ストレート一発で試合を決めた。静かな立ち上がりだったが、徐々に距離を詰めて左の強打を見せ2分30秒ごろに左ストレートを顔面にクリーンヒット。尻もちをつかせるダウンを奪うと、相手は立てなかった。ニエベスは立ち上がりこそ積極的だったが、山中のプレッシャーを受けると後退して何もできなかった。

 ◆山中 慎介(やまなか・しんすけ)1982年(昭57)10月11日、滋賀県湖南市生まれの30歳。南京都高でボクシングを始め、3年時に粟生隆寛を破って国体で優勝。専大では主将を務めた。アマ通算34勝(10KO・RSC)13敗。06年1月プロデビュー。10年6月に日本バンタム級王座を獲得。11年3月に初防衛に成功。11年11月に空位の王座決定戦でWBC世界バンタム級王座を獲得。1メートル71。左ボクサーファイター。家族は沙也乃(さやの)夫人(28)、長男・豪祐(ごうすけ)くん(10カ月)。

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