“命の恩人”腎臓がん執刀医「ありがとう」闘う姿が患者の勇気

[ 2013年5月11日 06:00 ]

小橋に向けたメッセージを書いた中井川昇医師

小橋建太引退試合

(5月11日 東京・日本武道館)
 病魔に襲われた小橋にメスを入れた“命の恩人”が最後の晴れ舞台に向けてメッセージを送った。

 06年6月に横浜市内の病院で右腎臓悪性腫瘍摘出手術を行った横浜市立大付属病院泌尿器科准教授・中井川昇医師(48)は「小橋さんは義理人情の人。病院の中で悪く言う人は一切いなかった。著名人というのに“自分が”というのは一切感じなかった」と評した。がん発覚直後、小橋は「対戦相手や仲間に申し訳ない」「シリーズに出なくちゃいけない」と周囲のことを考えて早期の手術を望んでいなかったが、中井川医師は「病気が悪くなると、もっと迷惑が掛かる」と3時間かけて説得したという。

 病院のベッドの脇には、ファンから贈られたぬいぐるみや千羽鶴を常に置いていた。「私は医師として決して言えませんでしたが、手術をする前から復帰をすることを決めていたのだと思いました」。一番の思い出は07年12月の復帰戦で「先生も来てください」とチケットを渡されたこと。「私も頑張ろうと思いましたし、何よりも多くの患者さんが励まされていた。本人が限界と判断されたのであれば本当に限界なのだと思います」。もちろん、ラストマッチも小橋からもらったチケットで来場する。

 ◆中井川 昇(なかいがわ・のぼる)1964年(昭39)5月12日生まれの48歳。83年に横浜市大医学部に入学し、89年に卒業。96年から98年には米国国立がん研究所に客員研究員として留学。05年に横浜市立大付属病院の泌尿器科の准教授に就任した。

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