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佐藤 TKOで王座陥落、鬼門突破ならず「言い訳しようがない」

[ 2013年5月4日 06:00 ]

シーサケット(左)の連打を浴びる佐藤

プロボクシング WBC世界スーパーフライ級タイトルマッチ12回戦 ●王者・佐藤洋太 8回TKO シーサケット・ソールンビサイ○

(5月3日 タイ)
 敵地タイで3度目の防衛戦に臨んだ王者佐藤洋太はシーサケット・ソールンビサイに8回1分26秒TKO負けで、王座から陥落した。シーサケットの猛攻の前にペースをつかめず、最後はメッタ打ちに遭って、レフェリーに止められた。タイ開催の日本人の世界戦はこれで1分け17敗。またしても鬼門を突破できなかった。

 「マジカルボックス」の異名を持つ佐藤の軽快なステップワーク、多彩なジャブや守備は完全に消された。序盤から本来右構えのシーサケットは左構えに切り替え、佐藤の打ち終わりを狙って懐に飛び込んできた。パンチが当たるたびに、約3000人の観衆から大歓声が上がった。

 1メートル60の小さな体で頭からぐいぐい迫ってくる圧力にジリジリと後退。アウトボクサーの佐藤は自分の間合いをつくれなかった。3回には額をカット。4回には足が止まって打ち込まれた。7回終盤もメッタ打ちに遭い、8回に再びボコボコにされて止められた。

 「体が動かなかった。圧力が強いし、パンチも強かった。シーサケットは強かった」。かつて日本選手が泣かされてきた地元判定とは違う。試合前のセレモニーではリング上で25分待たされ、扇風機が止まった会場の気温は35度、湿度75%にまで達したが、この程度の厳しさは「想定内」(金平会長)。佐藤は「言い訳のしようがない。普通に負けです」と潔く完敗を認めた。「もう一回やりたいけれど(相手は)やらせてくれないと思う。ゆっくり休みます」と話し、進退は保留した。

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