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井上 デビュー3戦連続KO!左手一本でもランク1位撃破

[ 2013年4月17日 06:00 ]

10R、佐野(右)に左フックを見舞う井上

10回戦 井上尚弥TKO(10回1分9秒)佐野友樹

(4月16日)
 高校時代に史上初のアマチュア7冠を達成した日本ライトフライ級6位の井上尚弥(20=大橋)は同級1位の佐野友樹(31=松田)を10回1分9秒TKOで下し、デビュー3連続KO勝ちとした。

 左手一本でも規格外の強さは変わらなかった。3回途中で右拳を痛めた井上は、それ以降ほとんど右を打たず、左をフル回転させ佐野を圧倒した。「右手を使えない状況で左手でコントロールできたのは次につながる」

 プロ3戦目は初めての日本人対決。ライトフライ級1位のベテランに挑み、真価を問われる一戦でもあった。2、4回とダウンを奪い、右拳を負傷してからも独壇場。「左のパンチが流れたり、力んだり、課題ばかり」と反省点は残ったが、10回、鮮血に染まった佐野を追い込むとレフェリーが試合を止めた。アクシデントも平然と乗り切り、貫禄の10回TKO勝ちだった。

 父・真吾さんは「今回は長いラウンドでどれだけできるか」とテーマを掲げていた。初の10回戦に備え、茅ケ崎の砂浜で徹底的に走り込むなどスタミナ強化に取り組んだ。幸か不幸かケガで試合が長引いたおかげで、その成果も確認することができた。

 佐野に代わって1位にランキングされれば、次戦は王者・田口良一(26=ワタナベ)への挑戦が現実味を帯びてくる。大橋秀行会長は「ケガがなければ3回でフィニッシュしていた」と目を細め、ベルト挑戦にもゴーサイン。井上自身も「田口選手とできれば光栄」と意欲は十分だ。プロ4戦目での日本タイトル獲得をかなえれば、井岡一翔を上回る国内最速5戦目での世界タイトル奪取も見えてくる。

 ◆井上 尚弥(いのうえ・なおや)1993年(平5)4月10日、神奈川県座間市生まれの20歳。元アマチュア選手でジム経営者の父・真吾さん(41)の影響で小1からボクシングを始める。相模原青陵高1年時にインターハイ、国体、選抜を制覇。2年で国体、3年ではインターハイ、全日本選手権、インドネシア大統領杯を制して、7冠獲得。アマ通算75勝(48KO・RSC)6敗。1メートル63、右ボクサーファイター。家族は両親と姉、弟。

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2013年4月17日のニュース