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村田 余裕の合格!前日本王者「日本王者より強いかも」

[ 2013年4月17日 06:00 ]

プロテストに合格した村田

 ロンドン五輪ミドル級金メダリストの村田諒太(27=三迫)が16日、東京・後楽園ホールでプロテストを受験し、実技試験で前日本ミドル級王者の佐々木左之介(25=ワタナベ)を圧倒した。即日合格が発表され、8回戦以上の試合に出場できるA級ライセンスを取得した。

 重量感あるパンチが相手を捉えるたびに、鈍い音が会場に響いた。超満員の観客からはどよめきが起きる。筆記試験、シャドーボクシング、縄跳びの基礎テストに続いて行われた3分3回の実技試験。テレビが生中継する注目の舞台で「受験番号1番」とアナウンスされた村田が金メダリストの実力を見せつけた。

 試合用の10オンスではなく14オンスの重いグローブにもかかわらず、いきなり左ジャブから高速右ストレートで相手の顔を揺らした。接近すれば左ボディーを食い込ませ、右ショートアッパーで顎を打ち抜いた。上から下、下から上へのコンビネーション。風邪気味で調整不足ながら、ヘッドギアをつけた前日本王者の佐々木の顔を真っ赤にするほどボコボコに痛めつけた。佐々木も「あのパンチ力は(ヘッドギアのない)試合だとヤバい。日本王者より強いかもしれない。世界で10位以内には来ると思う」とその力を認めた。

 実技試験から1時間半後、リング上で合格証が授与された。アマの実績が考慮され、B級を経ずに特例でのA級ライセンスの取得だ。「大きなものをクリアしてホッとしています。でも、やっとスタートラインに立っただけ。スタミナ面には不安があるし、下半身も鍛えないといけない」。今後は練習相手を求めて渡米し、さらにレベルアップを図る。デビュー戦は8月頃になる見込みだ。華々しく誕生したプロ村田が、夢への第一歩を踏み出した。

 ◆村田 諒太(むらた・りょうた)1986年(昭61)1月12日、奈良市生まれの27歳。南京都高―東洋大卒。中1でボクシングを始める。高校5冠、全日本優勝5度など国内計13冠。11年世界選手権2位、12年ロンドン五輪金メダル。アマ通算119勝(89KO・RSC)19敗。1メートル82。

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