八重樫 井岡と雪辱戦「やりたい やられたらやり返す」
井岡よ、フライ級に上がってこい!WBC世界フライ級王座を奪取し、2階級制覇を達成した八重樫東(30=大橋)が一夜明けた9日、横浜市内で会見した。アマチュア時代に4戦全敗だった五十嵐俊幸(29=帝拳)へのリベンジも果たした判定勝ちだったが、早くも昨年6月に敗れたWBA世界ライトフライ級王者・井岡一翔(24=井岡)へのリベンジを宣言した。
会見後、病院に直行して縫合したほどの右目上の裂傷が激闘の証だったが、八重樫の表情は柔和で晴れ晴れとしていた。「体中が痛い。それだけ厳しい試合だった」。飛び級で果たした2階級制覇に「実感はない」が、約10年越しの五十嵐へのリベンジは「借りを返せた」と素直に喜んだ。
ミニマム級はWBAだったため、WBCの緑のベルトを手にするのは初。大ファンの6階級制覇のスーパースター、マニー・パッキャオ(フィリピン)がかつて持っていたタイトルだけに「そこはうれしい」と笑う。「傷を治してから、防衛していくのが目標になる」と話したが、八重樫にはリベンジすべき相手がもう一人いる。
大橋会長は今後について「(五十嵐陣営が持つ)オプション(興行権)が2つあるので、まずそれをこなす」と話した。ただ「その次は、井岡くんの3階級制覇の挑戦を受けるのもある」と明かす。勝者の井岡に再戦のメリットはなかったが、1階級上の王者となった八重樫は「同じ土俵に上がった」と説明した。
それを受け、八重樫も「もちろんやりたい。迎え撃つのではなく、負けた選手に勝ちにいく。やられたら、やり返す」と力強く話した。3階級制覇か、リベンジか。前回のWBA・WBC統一戦に劣らない注目のビッグマッチに意欲を見せた。
ケガがある八重樫、5月8日に防衛戦を控える井岡の事情を考えると、両者とも秋、年末と試合を挟んで来春の対戦が有力だ。今年の大みそか、両者が同じ会場で防衛戦を行って、春のリマッチに臨む…。想像が膨らむ今後のフライ級戦線が、にぎやかになってきた。
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