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ロンドン銅の清水聡 メダル盗まれた?

[ 2013年4月9日 06:00 ]

 ロンドン五輪ボクシング男子バンタム級で銅メダルを獲得した清水聡選手(27)が東京都内でメダルを盗まれた可能性があるとして、警視庁原宿署に被害届を出していたことが8日、分かった。

 原宿署などによると、清水選手は3月24日、メダルをバッグに入れて東京都渋谷区の東京体育館を訪問し、体育館のリニューアルを記念したイベントに参加した。28日になって自宅でバッグの中にメダルがないことに気付き、今月4日に盗難の被害届を提出した。ほかに盗まれたものはない。

 東京体育館を管理運営する東京都スポーツ文化事業団によると、清水選手は2020年東京五輪招致のスペシャルサポーターとしてイベントに参加。スポーツ教室を巡回していた。

 イベントにメダルは必ずしも必要ではなく、イベント中に清水選手が銅メダルを持っている姿を確認した職員はいないという。原宿署によると、清水選手は「持って行ったが、使わなかった」と説明しているという。

 清水選手は紛失に気付いた翌日の先月29日、事業団に「落とし物で届いてませんか」と電話。事業団が会場を捜索したが、メダルはなかった。

 清水選手は9日、愛知県警南署で一日警察署長を務める。南署は「メダルを持ってきていただく予定だったのですが…」と残念そうだ。

 清水選手の銅メダルは男子ボクシング44年ぶりのメダル獲得だった。翌日、メダルを確定させた親友の村田諒太選手は「44年ぶりなら喜ぶが、1日ぶりになっちゃった」と冗談交じりに祝福し「金メダルだったら48年ぶりになる。そっちを狙います」と、互いに切磋琢磨(せっさたくま)し快挙を生んだ。大舞台で常に結果を残してきたことから「自分は強運」と自任している清水選手だが、今回はとんでもないアンラッキー。原宿署は「大事なメダルをなくしてますから、それはもう焦った様子でした。何とか早く見つけてほしいと祈っていました」と、日本中を歓喜させた清水選手のために全力でメダルを探し出すという。

 ◆清水 聡(しみず・さとし)1986年(昭61)3月13日、岡山県生まれの27歳。階級はバンタム級。中学生時代は卓球部。中学3年のとき、父親の友人が会長を務めるジムでボクシングを始める。関西高から駒大に進学し、04、07年の国体で優勝。08年北京五輪はフェザー級で出場し2回戦敗退。1メートル79、56キロ。

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2013年4月9日のニュース