×

王者をぐらつかせたが…黒田、世界初挑戦は判定で涙

[ 2013年2月28日 06:00 ]

世界初挑戦となる一戦で、王者レベコに判定負けした黒田(手前)

WBA世界フライ級タイトルマッチ12回戦 ○ファンカルロス・レベコ 判定 黒田雅之●

(2月27日 川崎市とどろきアリーナ)
 世界初挑戦の黒田雅之(26=川崎新田)の王座奪取はならなかった。2階級制覇の王者ファンカルロス・レベコ(29=アルゼンチン)に手数で圧倒され、0―3の判定で敗れた。

 2回、黒田が左で王者をぐらつかせた。その後はジャブでペースを握ろうとしたが、ジャブ一発に対し王者の左がボディー、フック、ボディーとさく裂。終盤には右目を腫らしながらも「パンチをもらってもいくしかなかった」と打ち合った。

 ゴング直前。黒田の目に関係者が持つ父・佳彦さん(享年46)の遺影が映った。都立永山高1年時に病死した父のためにも「世界王者になりたいと思った」。ダウンして尻もちをつかないようにとトランクスの後ろに父の名を刻んだ。だが、最後まで立ち続けても勝利には届かなかった。

 小学1年から剣道一筋。体格差を痛感した中学3年時の01年5月、WBC世界スーパーフライ級王者の徳山昌守が元王者チョ・インジュにKO勝ちしたのをテレビで見て「ボクシングは階級があるから」と転身を決意した。日本王座を4度防衛してたどり着いた世界の舞台。負けはしたが、本来のライトフライから1階級上げての挑戦で分かった「フライ級での可能性」。ここが黒田のゴールではない。

続きを表示

この記事のフォト

2013年2月28日のニュース