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ロンドン金の村田、プロ明言!引退勧告のアマ連盟には謝罪

[ 2013年2月3日 06:00 ]

ロンドン五輪で金メダルを獲得した村田

 ロンドン五輪のボクシング男子ミドル級で日本人として48年ぶりの金メダルを獲得した村田諒太(27=東洋大職)が2日、プロ転向の意思を初めて明かした。日本アマチュアボクシング連盟の山根明会長(73)にもあらためて報告。既に三迫ジムが獲得に名乗りを上げており、今後はプロ入りへ向けた準備を進めていく。

 五輪後、プロ転向を否定してきた村田が初めてプロへの思いを語った。山根会長のアジア連盟最高会長賞受賞の祝賀パーティーが行われた大阪市内のホテルで「プロを考えているのは事実です。行きたいという意思があるのは間違いない」とプロ転向へ傾いている気持ちを素直に認めた。

 気持ちに変化が表れたのは年末年始だ。自身の生い立ちを特集するテレビ番組を見て「小さい頃(プロという)気持ちを持っていた。そういう道もいいなと思った」という。ボクシングを始めた中学生の頃、憧れは90年代中量級最強のフェリックス・トリニダード(プエルトリコ)。最初に生で見たのは辰吉丈一郎の試合だった。夢はプロになってラスベガスで試合をすること。そんな自身のボクシングの原点を思い起こした。

 1月14日に山根会長のもとを訪れ、プロ転向を検討していることを伝えた。その数日後には早くも三迫ジムの関係者が同会長にあいさつに出向いた。フジテレビもバックアップに動きだした。周囲はプロ転向を前提に急展開。村田を育てた自負があり、指導者転向を望んでいた山根会長は「村田は日本の宝ですよ。プロが簡単に、盗っ人みたいにやらないでほしい」と一部のプロ側へ不信感を募らせた。 

 この日の理事会では、村田に対して、アマチュア選手として活動できなくなる異例の「引退勧告」を決議する事態にも発展した。しかし、村田が東京から大阪に急きょ駆けつけて謝罪し、再度プロへの思いを伝えたことで、騒動は収拾。同会長は「プロに行って大成してくれたらいい」と理解を示した。

 今後はプロ入りへ向けた準備を進めていく。所属ジムについては「まだ話もしていない」としたが、64年東京五輪バンタム級金メダルの桜井孝雄氏(故人)も所属した三迫ジムが有力候補だ。「何が一番強くなれる環境か考えて、皆さんに応援してもらえる状況をつくらないといけない」。小さい頃からの夢実現へ、金メダリストが動きだす。

 ◆村田 諒太(むらた・りょうた)1986年(昭61)1月12日、奈良市生まれの27歳。奈良・伏見中1年時にボクシングを始める。南京都高では高校5冠(選抜、インターハイ、国体)を達成。06年アジア大会は初戦敗退。11年世界選手権で全階級を通じて日本選手初の銀メダルを獲得。初出場したロンドン五輪のミドル級で日本に48年ぶりの金メダルをもたらした。東洋大出。1メートル82、77キロ。

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