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冷ややかだった周囲 京太郎 プライド捨てて初心に トレーナー認めた成長

[ 2012年9月20日 09:03 ]

<プロボクシングヘビー級10回戦>ウェリバー(左)に判定勝ちした藤本京太郎は顔をくしゃくしゃにして喜ぶ

プロボクシングヘビー級10回戦 ○日本同級1位・藤本京太郎 判定 WBC同級15位・チャウンシー・ウェリバー●

(9月19日 後楽園ホール)
 昨年、格闘技のK―1からボクシングに転向した日本ヘビー級1位の藤本京太郎がWBC世界同級15位チャウンシー・ウェリバーと対戦し、3―0の判定勝ちでデビュー5連勝を飾った。

 K―1から異例の転身。日本人では無理と言われたヘビー級の挑戦に、当初、周囲の反応は「無謀」と冷ややかだった。

 デビューから3連勝を飾っても、今年4月の2週間のオーストラリア武者修行では東洋太平洋の上位ランカーに叩きのめされた。「世界なんて到底無理だろう」。周囲の評価も耳に入り、苦悩の日々を送ったが、K―1王者のプライドを捨て初心に帰った。

 それまで、何となく聞いていたトレーナーの指示を真正面から受け入れた。「パンチ力の強化にはどんなメニューが最適か」「この練習はスタミナアップのためにやっている」など、練習の意図を把握しながら取り組むようになり、田中栄民トレーナーも「言ったことをできるようになってきた」と成長を認めた。

 挫折を味わってつかんだ自信はメンタル面も強くさせた。8月上旬にはへんとうを腫らして10日間入院する危機にも直面したが、復帰後は練習の鬼に変貌。以前より5キロ増のロードワークに加え、最多100回のスパーリングで腕を磨いた。

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