名城引退…人生懸けた猛攻届かず、判定0―2で敗戦
WBA世界スーパーフライ級タイトルマッチ12回戦 ○テーパリット・ゴーキャットジム 判定 名城信男●
(9月1日 大阪市住吉SC)
名城信男(30=六島)は僅差の判定0―2でテーパリット・ゴーキャットジム(タイ)に敗れ、3度目の世界王者返り咲きに失敗。試合後に現役引退を表明した。
序盤はリードを奪われたが、終盤は人生をかけた猛攻を見せた。9回から一直線に間合いを詰めて左右のフック、左ボディーを叩き込む。王者はたまらず大振りのフックからクリンチに逃げ込んだ。10回以降は名城コールを背に王者を追い詰めたが届かなかった。
自分より7歳若い王者とハードに打ち合えることを証明したものの、30歳は敗戦の現実を重く受け止めた。控室に戻ると赤く腫れた顔を覆うようにバスタオルをかぶり、心境を吐露。「もう全力を出し切った。(負けたら引退の)気持ちに変わりはない」。淡々と語るなかにも、表情には手の届きそうだったベルトへの悔しさもにじみ出ていた。
◆名城 信男(なしろ・のぶお)1981年(昭56)10月12日生まれ、奈良県奈良市出身の30歳。03年7月にプロデビュー。06年7月カスティーリョに10回TKO勝ちし、WBA世界スーパーフライ級王座を奪取、プロ8戦目の国内最速タイ記録(当時)を樹立。07年5月に2度目の防衛戦で陥落。08年9月に河野公平との王座決定戦で再奪取。10年5月に3度目の防衛戦でカサレスに判定負け。その後3度の世界挑戦も実らず。戦績は18勝(12KO)5敗1分け。アマ戦績は38勝19敗。
▼日本プロボクシング協会大橋秀行会長(引退表明の名城に)全然まだまだやれる。もったいない。右を警戒しすぎた。(2~8回まで)消極的だったのがもったいなかった。