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心理戦第1R 西岡、ドネアの揺さぶりいなした

[ 2012年8月29日 06:00 ]

記者会見で対戦相手のノニト・ドネア(左)とポーズを取るWBCスーパーバンタム級名誉王者の西岡利晃

WBCダイヤモンド・WBO・IBF世界スーパーバンタム級王座統一戦 WBC名誉王者 西岡利晃―WBO・IBF王者 ノニト・ドネア

(10月13日 米カリフォルニア州カーソン ホーム・デポ・センター)
 プロボクシングのWBC世界スーパーバンタム級名誉王者・西岡利晃が27日(日本時間28日)、米カリフォルニア州ロサンゼルスで、WBO・IBF世界同級王者ノニト・ドネアとともに会見に出席した。西岡はドネア側の心理面の揺さぶりにも冷静に対応。次戦をボクシング人生の集大成と位置づける36歳が勝利を宣言した。

 すでにゴングは鳴っていた。この日の会見で、ドネア側が厳密なドーピング検査の実施を提案していることが発覚。4階級制覇王者が決戦に向けて早くも心理戦を仕掛けてきた。だが、西岡は全く動揺しなかった。「テストを受けなければいけないならば、いくらでも受ける。何も不正なことはしていない」と毅然(きぜん)とした態度で答えた。

 心身ともに充実の時を迎える。32歳で王座を獲得し、7度の防衛を果たした西岡にとって、36歳の今がボクシング人生の絶頂期。最強の相手を迎える一戦にも「ワクワクしている。楽しみしかない」と胸を躍らせている。強い相手だけを追い求め、たどり着いたドネアとの頂上決戦。これまで、引退をほのめかす言葉を決して口にすることのなかった王者は、会見で「集大成になる」と言い、自身のラストマッチになる可能性を示唆した。

 モンスターレフトの異名を取る西岡の左ストレートと、閃光(せんこう)と呼ばれるドネアの左フック。帝拳ジムの本田明彦会長は「先に(パンチを)出した方が負け。神経戦だよ」と試合展開を予想する。ドネアも「俺の左フックか彼の強烈なストレートか。最強と言われる彼より強いことを証明する」と興奮するほど、両者の激突にはKO決着が期待される。

 4度の世界挑戦失敗、アキレス腱断裂、敵地メキシコで逆境をはねのけてのKO勝利…。さまざまなドラマが詰まったボクシング人生の集大成で、孤高のエースは勝利だけを信じて心技体の総仕上げに取り掛かる。

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2012年8月29日のニュース