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村田 現役引退を表明 指導者転向へ「これで一区切りに」

[ 2012年8月27日 06:00 ]

京都府のメンバーの勝利に、大喜びする村田

ボクシング国体予選近畿ブロック大会ミドル級決勝 村田諒太 RSC 竹迫司登

(8月26日 和歌山県立体育館)
 ロンドン五輪ボクシングのミドル級で金メダルを獲得した村田諒太(26=東洋大職)が、現役引退を表明した。26日、和歌山県立体育館で行われた国体予選の近畿ブロック大会に出場。試合後「ボクシングはこれで一区切りにしたい」と明かした。プロ転向は完全否定。今後は海外留学を希望し、指導者としての第二の人生を歩む。

 凱旋試合が引退試合。この結末を誰が予想していたのだろうか。ミドル級決勝戦。世界一の貫禄を示し、2回56秒にRSC(レフェリーストップコンテスト)勝ちした村田は、試合後にこう切り出した。

 「ボクシングはこれで一区切り。基本的には続けようと思っていない」。

 最終決定はあくまでも周囲と相談してからと強調したが、腹は固めた。目指すものは14年リオデジャネイロ五輪でも、プロデビューでもなく、指導者としての人生。「4年後には新しい選手が出てきて活躍している。僕はメディアの前にはいないでしょう」と、グローブを置くことを宣言した。

 村田らしいラストマッチとなった。国体には出場するつもりはなかったが、「京都にはお世話になってきたので、少しでも力になれたら」と、予選だけの出場を決断。京都府チームを近畿3位へ押し上げ、国体へ導いた。京都は指導者として尊敬する南京都高校の武元前川監督(故人)と出会った地。恩返しをしたかった。

 協栄ジムの金平桂一郎会長が獲得資金として1億円を用意するなど五輪後は去就をめぐって周囲の動きが活発化した。だが「金メダルが1億円より安いとは思わない。それを汚すぐらいなら1億円はいらない。100億円なら考えますが…」と笑いながら完全否定。すでに、指導者になるために「海外留学したい」と日本アマチュアボクシング連盟の山根明会長に明かしており、村田は「金メダルを獲ってから、そういう道がいいかなと考えていた」と心境を吐露した。

 留学先ではスポーツ科学、スポーツマネジメントなどを学ぶという。妻の佳子さん(30)にも打ち明けており「何年先になってもいいので、いつかは」と目を輝かせた。

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2012年8月27日のニュース