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佐藤、大差判定で初防衛 2度目防衛戦は和毅と?

[ 2012年7月9日 06:00 ]

10回、ロペス(左)に右を打ち下ろす佐藤

WBC世界スーパーフライ級タイトルマッチ 王者・佐藤洋太 判定 挑戦者・シルベスター・ロペス

(7月8日 横浜文化体育館)
 王者・佐藤洋太が指名挑戦者で同級1位のシルベスター・ロペスを最大10ポイント差をつける3―0の判定で下し、初防衛に成功した。スピードに乗ったパンチと堅いガードで65%のKO率を誇る強打のロペスを完封。2度目の防衛戦はWBC世界バンタム級シルバー王者・亀田和毅(20=亀田)との日本人対決が浮上した。

 試合開始前から次期挑戦者になり得る男を意識していた。目の前の試合に集中するはずだったリング上。佐藤の目に映ったのは、この試合の勝者との対戦を熱望していた和毅と父・史郎氏の顔だった。すぐに想像したのは「試合後にリングに上がってきた和毅にメンチ切られて、握手して俺とやろうって言われ…」という光景。つまり戦う前から「勝ち絵が見えていた」ということ。緊張するはずの初防衛戦だが、勝利のイメージができたことで冷静な試合運びができた。

 「鉄球みたい」というロペスの強打を警戒し、ジャブを突いて距離を保ち、ガードを固めてカウンターを狙った。3回には右ストレートでロペスの膝を折った。王者になってから公募した異名は何が飛び出すか分からないという意味で「マジカルボックス」になったが、相手が中盤に失速すると両手を広げてタコ踊りのようなまねをして挑発した。10回には左ボディーからの右ストレートを打ち下ろし、勝利を決定づけた。大差の判定勝利に「28歳はまだ伸びるなって思った試合でした」と笑った。

 和毅との対戦の可能性が浮上する中、王者は「次の防衛戦は会長にお任せします。俺、協栄ジム好きですから盛り上げていきたいと思います」と言い切った。名門・協栄ジムにさらに勢いをつけるため、注目の日本人対決も受けて立つ構えだ。

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