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井岡VS八重樫 6・20史上初!日本人同士の統一戦

[ 2012年4月10日 06:00 ]

互いにベルトを肩にかけ、統一戦に向け意気込みをみせる井岡一翔(左)と八重樫東

 WBC世界ミニマム級王者・井岡一翔(23=井岡)とWBA同級王者・八重樫東(29=大橋)が6月20日に大阪市のボディメーカーコロシアム(府立体育会館から改称)でお互いのタイトルをかけて対戦すると、9日、両陣営が発表した。日本人世界王者が両王座の統一戦に臨むのは史上初。大阪市内で会見した井岡はベルトを統一した際に、2階級制覇を目指す意向を示した。

 両陣営会長を含め世界のベルトを巻いた4人が並んだ豪華な会見場。その中でも井岡の存在感はひときわ目立っていた。濃紺に白いピンストライプのスーツでスマートに決めた若き日本のエースは高らかに宣言した。

 「主役は自分。日本ボクシング界に新たな歴史を刻みます」

 高校6冠のアマエリートはプロの世界で輝きをさらに増した。昨年2月に国内最速の7戦目で世界王座を奪取。初防衛戦でランク1位の指名挑戦者を退け、大みそかに98秒TKOでV2達成。常に世間の注目を浴びる舞台で戦ってきた。「この階級では、もう統一戦しか考えていなかった。実現してくれた両陣営に感謝したい」。異なる認定団体のベルト2本を同時に巻く。日本で誰もなし得ていない偉業に胸が高鳴った。

 井岡は今年の目標に2階級制覇を掲げている。八重樫という強敵が立ちはだかるが、元世界王者で、叔父の井岡弘樹会長(43)は「トレーニングで筋肉がついてきているし、ミニマム級はもう限界。今回が最後」と、八重樫戦が現級ラストマッチとなることを示唆した。

 日本初の統一戦実現には、日本に世界王者が8人存在している現状も大きく関与している。世紀の一戦に向けて機運は盛り上がるばかりだが、井岡は冷静に締めくくった。「開催が決まったことは運がいい。でも結果を残さないと意味がない」。日本ボクシング史に残る偉業達成は、新たな挑戦へのプロローグでしかない。

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