×

しずちゃん真面目すぎ!ロンドンへ変身指令「ズルくなれ」

[ 2012年3月14日 06:00 ]

<ボクシング公開練習>女子代表の高見監督(左)を相手にミット打ちする山崎静代

 しずちゃんはズルい女でロンドン五輪を狙う!アマチュアボクシング女子でアジア選手権(19~26日、モンゴル)に出場する日本代表が東京・味の素ナショナルトレーニングセンターで合宿を公開し、ミドル級のお笑いコンビ「南海キャンディーズ」のしずちゃんこと山崎静代(33=よしもとクリエイティブエージェンシー)が参加。指導する梅津正彦トレーナー(43)は海外の強豪との対戦を前に「ズルくなれ」と指示した。

 テレビカメラ15台、50人以上の報道陣が集まった約2時間の公開練習。注目度の大きさに、しずちゃんの気合が空回りしてしまった。序盤に行われた寸止めで打ち合うマスボクシング。途中で息が上がり、練習を3度中断してしまった。後半では軽快な動きを見せたが「いいところを見せようと思ったら、空回りした」と苦笑いするしかなかった。

 梅津トレーナーからはすかさず厳しい突っ込みが入った。「真面目すぎるんですよ。ずうずうしくならないといけない」。初戦で台湾選手に打ち込まれて判定負けした昨年9月の台北カップ以来の国際試合となるアジア選手権にはアジアの強豪が集う。2月の全日本選手権を制した日本女王も、格好をつけて勝てるような舞台ではない。

 これまでのようにただ前を向いて戦うだけでは勝機は少ない。梅津トレーナーは「あっち向いてホイって感じで打つぐらいがいい。ズルい女になれ」とゲキを飛ばした。2年前から定期的に指導する高見公明女子代表監督(51)はクリンチの際に肩で相手を押して角度を変えてパンチを打ち込む“反則寸前”の技を伝授した。しずちゃんも「相手を回す(体勢を変えさせる)こともできないと。正面ばかりじゃいけない」とズルく勝つスタイルの習得に意欲を見せた。

 ロンドン五輪代表は、既に代表を決めている世界選手権(5月9~20日、中国・秦皇島)でベスト8に入れば決まる。その前に行われるアジア選手権で優勝すれば、大陸枠での五輪切符獲得につながる可能性もある。

 高見監督は「スタミナはあるし、パンチも以前はストレートだけだったけれど、フックやアッパーも打てるようになった。ド素人からよく頑張っている。まだまだ伸びしろがある」と成長力に期待し、「海外勢との対戦の経験を積んでほしい」と声を掛けた。

 もちろん、しずちゃんは単なる経験に終わらせるつもりはない。日の丸を背負って戦う初めての試合。「五輪につながる大切な大会なので、勝ちにいきたいと思います」と堂々と大きな目標を掲げた。

 ▼女子ボクシングのロンドン五輪への道 実施階級のフライ、ライト、ミドル級に12人ずつ計36人が出場。世界選手権8強入りで出場枠獲得。各階級残り4枠のうち1枠は開催国の英国で、3枠が各大陸枠として各国・地域に振り分けられる。大陸枠は3月のアジア選手権の結果が反映される可能性があるが、正式な決定方法は未定。高見女子代表監督は「アジア選手権には16、17カ国がエントリーし、ミドル級は10人前後になるのではないか」と見通しを語った。

続きを表示

2012年3月14日のニュース