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強すぎV4 内山、日本人最多記録更新5戦連続KO

[ 2012年1月1日 06:00 ]

11R、衝撃の左一発でソリス(左)をマットに沈める内山

WBA世界スーパーフェザー級王座統一戦 内山高志 11回19秒TKO ホルヘ・ソリス

(12月31日 横浜文化体育館)
 11回だ。内山がこん身の力で放った左フックが顔面を捉えると、挑戦者のソリスはリングに寝そべったままピクリとも動かなかった。鮮やかなKO劇での王座統一。ベルトを2本掲げた内山は「このパンチはこれだけで倒そうと決めたパンチ。当たった瞬間立てないと思った。暫定王者は嫌だった。(ベルトを)一つにできて良かった」と11年最後の試合を最高の笑顔で締めた。

 11年1月の防衛戦で右手甲を脱臼。右拳が使えない練習の中で左を極め、長期的なスパーリングで減量も楽に乗り切った。11カ月ぶりの一戦が王座統一戦となったが、不安より楽しみの方が大きかった。

 チャンスとみれば倒す。その攻撃的なスタイルは大学時代に生まれた。4戦連続KO勝ち(RSC)していた拓大2年時のリーグ戦。5戦全勝で学費免除となる“最高のプレゼント”が用意されていた。「母(百代さん)が凄く喜んでくれた。何百万というお金がタダになるわけですから」。ボクシングの道に進むことに否定的だった両親に初めてボクシングで親孝行ができるチャンス。気合十分の内山は相手を圧倒したが、判定の結果は相手の勝利だった。不可解な判定に観客からは大ブーイングが起きたという。だが内山は「仕方がない」とKOを逃したことによる敗戦を教訓とした。

 試合前に「勝てば評価も変わってくる」とさらなる高みを目指していた王者。「自ら出向くのではなく海外から呼ばれて行きたい」。世界で名の知れたソリスをKOし、王座を統一した内山が、世界の強豪の目に留まったことは間違いない。

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